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ONE PIECE
旧版1話
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碍にはしない! それに――――」
「それに?」


「海軍の英雄に俺はなる!」


 だから無茶を言っても平気だぜ。


 そういって、眩しいほどの笑顔を向けてくる少年――――モンキー・D・ガープは嫉妬するほどかっこよかった。




「ま、まいった」

 ぜーぜーと息をしながら仰向けに倒れたガープ少年は降参した。
 私を強者と認めたのか模擬戦をお願いしてきたのである。
 私自身の強さを知るためにも快諾し、いまのところ全戦全勝である。

「弱いな」
「んな!? これでも俺は同期のホープだったんだぜ」

 自信なくすなあ、と珍しくどんよりした空気を出すガープ。
 そうそう、ガープが姓だと思っていたんだが、こっちが名前らしい。
 命名規則が苗字+名前の東洋方式が主流のようだ。ややこしい。


 エヴァンジェリンの力は中将でも相手にできそうだな、と言っている。何それ強いの?
 へー、この世界でも最強クラスなのかー。
 ただ、ガープと比べると強すぎて正確な力はわからないそうだ。
 そんなガープ少年も本部少佐相手に勝ったことがあるそうだが。
 階級=強さ、なのか? ははっ、まさか。

「だから面倒な書類仕事なんかせずに、がんがん悪い海賊をぶっ飛ばしていくんだ! 海軍の英雄になって、いつかは俺が元帥になってやる!」

 ふーん、ひたすら強さが尊ばれる世界なのか。魔法もないそうだし、こりゃネギま!の世界じゃなさそうだな。
 だが、聞き捨てならんことがある。

「貴様が昇進すれば必然的に書類仕事は降りかかってくるぞ? 軍というのは巨大な官僚組織でもある。士官になれば書類仕事は必須だし、それができないやつが出世などできるものか。馬鹿者め」
「え、マジ!?」

 前世の聞きかじりの知識だが、そう間違ってはいないはずだ。
 軍隊を動かすということは、大勢の人と金と物資を動かすということだ。
 当然、書類による伝達が不可欠であり、偉くなればなるほど決済する書類は増加する。
 しかも、パソコンなどない中世レベルの世界のようなので、なおさら書類仕事は大切である。


 腕っぷしだけで中将になれる軍隊なんて、そっちのほうがびっくりである。
 マンガじゃあるまいし。


 聞けばガープ少年は、ひたすら悪・即・斬でいけば昇進できると勘違いしていたようだ。
 それはいけない。
 少し過ごしただけだが、この少年はきっと大成する。
 今は自分が強いと勘違いしている弱っちいボウヤだが、その気っ風のいい性格はある種のカリスマ性があると睨んだ。

「だから、勉強しろ」
「ヤダ!」

 チッ、人が親切で言ってやってるのに。
 だが、この少年を腐らすのは勿体ない。
 さて、どうやっ
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