ペルソナ3
1873話
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だから。
帽子と髭が特徴的なその男の名前は……
「順平? 何でお前がこの寮にいるんだ?」
「本当に順平なの? もしかして偽物とか」
「俺ッチが偽物の訳ねえだろ! ほら、しっかりと見てくれよ! なぁ!」
順平が、俺とゆかりの言葉に慌てたようにそう告げる。
その言葉で順平が本物……誰かの変装とかそういうのでない事はすぐに分かったが、それでも何故順平がここにいるのかは分からない。
いや、分からないって事はないな。ここに……この寮にいるって事は、それは順平がペルソナ使いとして覚醒……そこまでいかなくても、最低でも影時間に適応している事を意味している。
……なるほど。そう言えば今日の学校で順平はやたらとテンションが高かったが、それが原因なのか。
また、一緒にはがくれに行かなかった理由も、シャドウに関係している事であれば納得出来ないでもない。
「その言葉遣いから考えて、順平で間違いないな。……で、順平がこの寮にいるって事は……」
紅茶を飲んでいる桐条に視線を向ける。
その視線に、桐条は紅茶の入ったカップを置き、頷く。
「そうだ。……昨日タルタロスから早く戻ってきただろう? それで明彦が少し物足りと言って街を見回りしていたのだが……その時、シャドウに襲われている伊織を助けたのだ」
「……どこかで聞いた覚えのシチュエーションだな」
ゆかりの方を見ながらそう告げると、ゆかりは小さく肩をすくめる。
「影時間に適性を持ち、影時間の中でシャドウに襲われるというのは、そう珍しい話ではないのだろう。シャドウは影時間に適性のある者を狙っている節があるしな。勿論影時間に適性を持っている人物というのは、それ程多い訳ではない。そうである以上、あくまでもそのような傾向がある、としか言えないがな」
そう告げる桐条の言葉に、納得するものがある。
ゆかりも、実際に自分が襲われた経験があるだけに、その言葉に異論はないのだろう。
「って、もしかして……桐条先輩。アクセルやゆかりッチ達も、お仲間って事ですか?」
「そうだ。もっとも、アルマーと岳羽、そしてここにはいないがもう一人の三人は、私達と協力関係を結んではいるが、結局のところ別の勢力だ」
「……別の勢力?」
本当か? といった様子で俺に視線を向けてくる順平に、俺は頷きを返す。
「そうだ。そもそも、俺達は最初桐条達の事を全く知らない状況でタルタロスに挑んでいたからな」
「タルタルソース? なんだそれ?」
タルタロスについてはまだ説明を受けていなかったのか、順平は不思議そうな表情をこちらに向けてくる。
視線を向けると、桐条は分かったと小さく頷いてから口を開く。
「タルタロス。それは影時間のみに姿を現す塔だ。影時間について、何
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