IF STORY
短編
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」
「まあね」
ボテくりまわしたろかこいつ。
ご所望のファ◯タオレンジを一気飲みしてる蓮を半眼で睨みつつ報復手段を検討するが、後が面倒なので我慢する。
「うん。やっぱり大丈夫だと思うよ」
「何が」
「木綿季ねーちゃんはそこそこ頭良くて運動神経も良い優等生だけど、それ以外は基本ポンコツだから」
「何の話だよ……」
「だからぁ面倒見が良い螢にーちゃんになら、木綿季ねーちゃん頭は良いからホイホイ着いて来るって。ポンコツの自分でも大丈夫だって感じに」
「んな馬鹿な……」
確かに蓮の言う通り木綿季は外身良物中身ポンコツだが、間違いなく馬鹿ではない。ことはそう単純になっていない。普段聡い蓮から、そんな言葉が出て来て少し意外に思った俺はどう言ってやったものかと思案する為に目を瞑る。
「何で?」
しばらくすると、心底分からないというような語調で蓮が言った。またもらしからぬ発言に俺はますます混乱しつつも言葉を返す。
「何でってお前な……まず木綿季が打算で物事決めるか?」
「決めないだろうね」
「中身がアレだとしても要領は良い。俺に頼らずとも大丈夫だろ?今までそうだったし、これからもその筈だ」
「うーん、それはどうかな……まあ、他には?」
やけに突っ込んで聞いてくるなと思いつつ、俺は半ば無意識に言葉を紡いだ。
「第一、俺のことを想ってくれているという証拠は無い。面倒見の良い奴なんてどこにでもいる」
自分で言っていてハッと気がつく。自分の気持ちを自覚し、相手の気持ちを気にしながら、それを今まで確かめようとしなかった。それには、木綿季との関係が壊れてしまう恐怖もあったが、そればかりでは無い。俺があいつにしてやれることで、特別なことは何も無いのだ。俺でなくとも誰でも出来る、ごく当たり前のことしかない。それを俺は無意識に分かっていた。分かった上で俺は"諦めていた"。と、その時。
「このーーー」
「鈍感男??」
「ん?……っでぇ??」
ふわりと顔の前の大気が動いた気配がしたので目を開けるとお揃いの制服を着た紺野姉妹ーーーーの一瞬後に脳天への衝撃とクリーム色の床が目に入った。
「木綿季??……と藍子?」
怒髪天を突く……とまでは行かないが、かなり怒り心頭な様子の木綿季とムッスリした藍子が目の前に仁王立ちしていた。ムッスリしつつも手をさすってるとこから推察するに、俺の脳天へ打撃をかましてくれたのは藍子らしい。
「……早かったな?」
「話逸らさない」
「……はい」
木綿季にビシッと効果音が付きそうな勢いで指を指され、柄にでもなく敬語で萎縮してしまう。
「鈍感で、遅いし、見当違い!もぉ頭来た!ちょっと来る!」
「え、
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