IF STORY
短編
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
なので見分けが付き易い。
「……まあ構わないが。今、蓮のやつが来てるんだ。あいつも一緒で良いか?お兄さんたち出かけてるそうなんだ」
「良いわ」
「全然オッケー」
2人から快諾を得たことで蓮に声をかけ、10分後には出かける準備が整った。蓮と木綿季が外でワイワイ騒いでいるのをBGMに家の戸締りを一通りしてくると外へ出る。
「それにしても今日は暖かいな」
「そうね。気温も高めと今朝テレビで言ってたわ」
庭で蓮とはしゃぐ木綿季とは反対に律儀に玄関先で待っていた藍子が微笑んで相槌を打つ。
「それで、何を買いに?」
「高校の制服を」
場所によっては自分の用事も済ませられるだろうと、藍子に尋ねる。すると、あまり予想していなかった答えが返って来た。
「ちょっと遅くないか……?」
「ええ。家族皆でうっかりしてて」
それにしてはいくらかのんびりし過ぎなのではと思ったが、考えてみれば昔から紺野家はこんな感じだったと思い出す。
俺を連れて行くのは、まあ同じ学校になる訳であるし、昼間とはいえ2人で買い物へ行かせるのは少し不安なのかもしれない。
「分かった。じゃあすぐ行こう」
目的地にはバスと徒歩で向かう。この時間からだと帰りのバスが混んでしまうかもしれないので、俺は3人を少し急かして出発した。
制服を販売している提携店は駅前のデパートに入っている。休日の昼過ぎのせいもあって少し混んでいた。
「僕ゲーセン行ってくる」
「待てコラ」
着いた途端颯爽と駆け出そうとした蓮の首根っこを掴んで引き止める。ただでさえ混んでいるのにはぐれたら大変だ。
「終わったら連れて行ってやるから少し待ってろ」
「えー。大丈夫だよ何回も来てるし、いざとなったら1人でも帰れるし」
「そういうことじゃなくて、何かあったら俺が大変なんだ。勘弁してくれ」
「……はーい」
そんなこともあり、帰りのバスはどのみち混むことが決定した訳だが、買った制服は郵送だし大して問題も無いかと妥協する。
「なんだか2人を見ていると本当に兄弟みたいよね」
「うん」
「えー、螢にーちゃんがにーちゃん?……微妙」
「てめぇ」
確かに相馬さんと比べれば俺は凡人も良いとこだが、そもそも根本のスペックが違う上に人間としてのベクトルも大分ズレてる。比較対象にするのがおかしい。
そんなやり取りをしている間に目的地に到着。木綿季と藍子を店員さんに任せると店の手前にある休憩スペースで先程俺を微妙だとか抜かした蓮にジュースを奢ってやる。
「面倒見が良いとこだけが取り柄だよね螢にーちゃんって」
「お前さてはゲーセン行くの引き止めたの根に持ってるだろ??
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ