第5章:幽世と魔導師
第132話「驚異の片鱗」
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にいた妖は、木の根を棘のように地面から生やして突き刺した。
草の神だから、根っこぐらいなら操れるからね。
「シッ!」
「ふっ……!」
瘴気が濃い方向……山奥へと進む度に妖が襲ってくる。
正面からは全て私が切り裂き、サイドや背後からは葵が凌いでいる。
進み続けるため、追いかけられる形になるけど、そこは創造した剣で仕留めておく。
「……濃いね」
「……幽世に繋がる門だから、当然と言えば当然だけどね」
段々と瘴気が濃くなってくる。……もうすぐ、発生源か…。
「この辺りが、瘴気の発生源のはず……」
「っ………」
あまりの瘴気の濃さに、さしもの葵すら少し気分を悪くしている。
「……!そこ……!」
「あれが……幽世の大門……」
そして、ついに見つけた。
木々の中に少し開けた場所があり、そこに瘴気が溢れ出る穴があった。
……間違いなく、それが幽世の大門だった。
「……守護者らしき影はない…」
「………でも……」
門の近くまで来て、守護者らしき存在がいない事に気づく。
………そして……。
「……首を一閃。完全な即死…か」
「こっちは……右腕を切断され、その上心臓を刺された上で、袈裟切りで左肩からばっさりと……」
そこには、二人の男性の死体があった。
片方は首を斬られている、誰ともわからない男で、もう一人が…。
「……ティーダさん……」
最後まで抵抗したのだろう。死んでいるはずのその顔は、何かに必死で抗おうと歯を食いしばったままだった。
「……この切り口、まさか……」
「明らかに、刀で斬った後だね……」
切断面や切り傷は、全て刀でついたものだった。
……刀と言えば、蓮さんを追い詰めた存在と同じ武器だ。
「……守護者は、基本的に門の近くから動かない」
「でも、例外はある。……海鳴の門の守護者もそうだったよ」
「大門の場合も、あり得る……と言う事か」
「……多分ね」
おそらく、大門の守護者は門の前から移動し……その途中で、蓮さんと遭遇。
そのまま戦闘し、殺すところだったのだろう。
「……そして……」
「……ロストロギア…だね」
大門の前に佇むように浮かぶ、黒い大きなキューブのようなもの。
……魔力が感じられる上に、門に影響を及ぼしている。間違いなくロストロギアだ。
「これが大門を開けた原因で間違いないか」
「だね。封印しておこうか」
手っ取り早く神力で封印を試みる。
少し魔力で反抗しようとしてきたけど、問題なく抑え込んで封印できた。
「……少しだけ瘴気がマシになったかな」
「あたしにはま
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