第5章:幽世と魔導師
第132話「驚異の片鱗」
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いや、十分だ。予定通り京都に転移させてくれ」
「……わかった」
どの道、瘴気が原因でサーチャーが妨害される。
大まかにわかっただけマシだろう。
「向かうのは僕と椿と葵。他はアースラに待機して、何かあればすぐに向かえるようにしておいてほしい」
「……大人数は、却って危険か?」
「ああ。敵の強さが未知数だからな。ここは妖を良く知っている葵と、神降しができる僕らが最適だ。……次点で、大火力且つ利便性の高い司も適している」
大人数で行った所で、無駄に死人を増やしてしまうかもしれない。
ここは戦闘経験が多い面子で行った方がいい。
司も戦闘経験が僕程ではないという事で待機だ。
「……わかった。今優輝が言ったように、三人以外はここで待機!ただし、いつでも出れるようにしておくように!」
クロノがそう指示を飛ばす。
僕も気持ちを落ち着け、戦闘に備える。
「……優輝、大丈夫かしら?」
「………ああ。椿や葵が恐れる程の相手だ。……神降しの代償を気にしていられない」
「気を付けなさい。……私達も計り知れない相手よ」
椿の言葉に、僕は頷く。
強さも、どのような相手かも不明。
アンラ・マンユも同じようなものだったが、負のエネルギーの集合体と言う意味では正体は判明していた。……対し、今回は幽世の大門の守護者だという事以外、何もわからない。どれほどの強さなのかも、どのような姿なのかも、行使される力はどういったものなのかもわからない。
「だからこそ、最初から全力で行く。葵も、いざとなれば退いてくれ」
「分かってるよ。神降しした優ちゃんだと、あたしも足手纏いだからね」
そのためにも、出し惜しみはしない。
転移した時点で、神降しはしておく。
……蓮さんを襲った存在も近くにいるかもしれないからな。
「……無事に帰ってきてね」
「分かってる。……勝ってくるさ」
心配している司にそう言って、転送ポートに立つ。
「では、転移するぞ」
「ああ」
そして、僕らは京都へと転送された。
「椿」
「ええ」
転移が完了し、すぐさま神降しを行使する。
場所は山中。妖も既に近くにいたらしい。……が、葵に切り裂かれる。
「護衛は任せて」
「ああ」
襲い掛かる妖は次々と葵に斬られていく。
ただ、大門が近いのもあって妖の数が多く、質も高い。
葵一人でいつまでも持つ訳ではない。……と言っても、もう完了したけど。
ザンッ!
「……さて、瘴気が濃い方に向かえば大門があるはず」
「早速行こうか」
神降しが終わり、即座に周囲の妖を切り裂く。
少し遠い所
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