第5章:幽世と魔導師
第132話「驚異の片鱗」
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、契約による繋がりから、蓮さんの状態がなんとなくわかるのだろう。
……伝心の際、朧気だけど蓮さんの記憶が流れ込んできた。
その記憶はもちろん、つい先程までの戦闘の事だ。
圧倒的強さで押される戦闘を経て、蓮さんは少し恐怖を覚えていた。
そういった感情がアリシアにも流れたから、心配して残ろうとしたのだろう。
「……戻ったか」
「ああ。命に別状はない。……けど、瘴気にやられて今は衰弱している」
「大丈夫なのか?」
「アリシアもついているから大丈夫だ。……一応、浄化の類の術も教えてるからな」
クロノの所に戻り、簡潔に伝える。
「……それで、彼女は一体……」
「私達と同じ、式姫よ」
「……なるほど。椿たち以外にもいたのか」
「偶然会って、その時にアリシアと契約を結んでもらったんだ。その時はアリシアはまだまだ霊力の扱いに慣れていなかったからな」
蓮さんの存在を知っているのは、あの時あの場にいた面子と、那美さんと久遠だけだ。……会ってもいないし言う必要もなかったから当然だけど。
「何か情報は聞けたのか?」
「敵の存在を少しだけ……。だけど、相当厄介なのはそれでもわかった」
「それは一体……」
息を置いて、先程蓮さんに聞いた事を話す。
「敵の詳細は瘴気に覆われて不明。ただし、武器に刀を使い、人間と同じぐらいの人型だという事は分かっている」
「それって学校を襲いに来た妖と……」
「いえ、それとは違う妖よ。あの妖は影法師。だから、彼女も知っているから詳細が分からないはずがない。だから別物よ」
すずかがふと気づいて呟くが、それを椿が否定する。
「問題なのはその敵の強さだ」
「先程の人物が式姫なのは分かった。……そんな彼女を、ここまで追い詰める程か……」
「蓮さんは剣の腕なら僕や恭也さん以上だ。そして、アリシアと契約しているから霊力が不足している訳でもない。おまけに、ずっと研鑽を怠っていなかった。そんな蓮さんが、為す術なくやられた事から……その強さは、良く分かるだろう」
実際に蓮さんの強さを知っていないなのは達ですら、その強さが理解できた。
いや、深くは出来ていない。漠然とだけだが……今はそれでもいい。
「椿……」
「……ええ。神降しも視野にいれないとね」
余程の相手だ。もしかすれば、この事件で神降しを複数回使うかもしれないな……。
使うとしても大門の守護者だけかと思っていたが、とんだ伏兵がいたものだ。
「クロノ、下調べはついたか?」
「ああ。京都は現在警察と現地の陰陽師が住民を守るように動いている。……他の場所も同じだ。細かい見落としはあるかもしれないが……」
「
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