第5章:幽世と魔導師
第132話「驚異の片鱗」
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―――金属音が、遅れて聞こえた。
「(早い……!?いや、それだけではない!鋭く、正確……!?)」
その一撃は、確かに防ぐ事はできた。……凌ぐと言った方が正しいが。
何せ、防いだ上で5間程体を持って行かれたからだ。
おまけに伝心に使っていた御札もついでのように切り裂かれていた。
明らかに、ただの妖の攻撃ではなかった。
そして、これほどの使い手を私は知らない。
だが、そんな思考をする暇もなかった。
「っづ……!」
ギギィイン!
一撃を放ち、即座に視界から逸れる。
不意を突いた後の追撃としては、確かに有効な手段である。
……ですが、これでは敵の姿さえ見つけれない…!
「唸れ!“風車”!」
「………!」
攻撃に合わせ、袖から落とした御札で術式を発動させる。
風の刃が私を覆うように展開され、敵も距離を取る……はずだった。
「っ……!」
敵は、風の刃さえ切り裂き、私へと一太刀を振るってきた。
一瞬で対処された事に驚いたが...おかげで攻撃の軌道が見えた。
ギ……ィイイイイイン!!
「ぐっ……!」
正面から攻撃…刀の一撃を受け止めた。
その上で背後にあった大木に叩きつけられてしまう。
……ですが、これで敵の姿が…!
「えっ……?」
その瞬間、私は横薙ぎに吹き飛ばされたのを認識する。
視線を横に向ければ、そこには刀が振り切られた敵の姿が。
受け止められた瞬間、瞬時に横薙ぎに刀を振るったと言うのだ。
「(強すぎる……!)」
長年積んだ鍛錬がまるで無意味だった。
……いえ、辛うじて、鞘で胴を斬り飛ばされる事は防げたらしい。
体が咄嗟に反応したようだ。
「(逃げる事も、許されない……!?)」
敵を視認する事は出来なかった。
姿は瘴気によって隠れ、辛うじて人型だという事がわかった。
……しかし、これをアリシア達に伝えるのは無理でしょう。
……おそらく、私はここで殺される。
=優輝side=
「蓮さん?蓮さん!?」
「唐突な切断……椿!」
蓮さんとの念話が突然途切れ、アリシアは焦る。
かく言う僕も何が起こったのか把握しきれていない。
……でも、予想はできた。
「……瘴気などによる妨害か、もしくは…」
「通信符や蓮さんに何かが起きた……のか」
椿の言葉に僕が続けてそういうと、椿は頷く。
「(どの道、早くしなければ蓮さんの命が危ない……!何か、手は……!)」
正確な位置は僕らも知らないから、こっちから駆け付けるの
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