ペルソナ3
1872話
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傍から見れば怪しげな……と表現してもおかしくない程に上機嫌な様子を見せているのだ。
本当に、何がどうしてああなったんだ?
恐らく、余程いい事があったのは間違いないだろうが……
「どうする? 話し掛けるか?」
「そうね。あのままだとかなり恥ずかしい事になりそうだから、そうなる前に我に返してあげましょう」
微妙な気分を抱きつつ、ゆかりと顔を合わせてから順平の方に近づいていく。
「おはよ、順平。随分機嫌がいいみたいだけど、何かあったの?」
最初に声を掛けたのは、ゆかり。
俺が声を掛けるより、ゆかりの方が順平の注意を引く事が出来るという判断からのものだが……この辺り、タルタロスでの連携訓練が上手く嵌まった形だ。
もっとも、何をしてるんだと突っ込まれれば、こちらとしてもどうしようもないのだが。
それでも効果はあった以上、決して無駄ではないだろう。
「ん? ああ。ゆかりッチ、おはよう。今日もいい天気だな。俺ッチを祝福してくれているようだ! わはははは!」
「……駄目ね、これは」
テンションの高い順平に、ゆかりが小さく呟きながら首を横に振る。
うん、それは俺も同様だな。
「ああ、アクセルもいたのか。あははは、うははは、わははは……相変わらずアクセルとゆかりッチは仲がいいようで何よりですなぁ。いやぁ、羨ましい」
明らかに順平のテンションはおかしい。
何だ? 何がどうなってこうなってるんだ?
そんな疑問を抱くも、今の順平の様子を見る限りでは何を聞いても無駄だろう。
何か余程いい事でもあったんだろうが……何があったんだ?
順平の性格を考えれば、ちょっと聞けばすぐに答えてくれそうな気がしないでもないが。
そうだな、駄目元で一応聞いてみるか。
「順平、お前何があったんだ? 随分と上機嫌だけど」
「ん? あー、悪いな。それは言えないんだよ。ただ、安心しろ。お前達は俺が守ってやるからな」
本人としてはニヒルだと思っているのだろう笑みを浮かべている順平に様子に、俺は無言でゆかりに視線を向ける。
だが、その視線を受けたゆかりは無言で首を横に振る。
それは、これ以上順平に何を言っても無駄だから、構わない方がいいと言ってるようだった。
いや、ようだったじゃなくて、実際にそう思っているのだろう。
今の順平の様子を見る限り、何らかの理由で有頂天になっているのはまちがいない。
であれば、今は何を言っても無駄だというゆかりの判断はそう間違ってもいないか。
ともあれ、そんな感じで話をしながら俺達は学校に向かう。
少しだけ……本当に少しだけだが、もしかしたら学校に到着すれば元に戻るかも? といった希望を抱いたのだが、当然のように元に戻るような事はなく……
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