暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは『絶対零度の魔導師』
アージェント 〜時の凍りし世界〜
第三章 《氷獄に彷徨う咎人》
舞うは雪、流れるは雲A
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巨大化したグラーフアイゼンを振りかぶっている。

「轟天爆砕!!」

カートリッジが排出され、さらに巨大化。一帯ごと押し潰せる様なそれに、さしもの暁人も顔を蒼くする。

「しまっ……!?」

「《ギガントシュラーク》ッ!!!」

回避……不可能。防御……不可能。ならば、

反撃……………可能。

「オ、オオオオオオッ!!」

滅多に見せない暁人の雄叫び。ハボクックに流し込まれた膨大な魔力が先端の一点に圧縮され、次の瞬間、より長大で密な氷の刃が形成される。フェイトのザンバーにも匹敵するサイズのそれに、暁人はカートリッジも併用して、さらなる魔力を注ぎ込む。

「あまり、力押しは好きじゃないが……形振り構ってもいられないからな………!!」

解放された魔力は、百メートルに達しようかという馬鹿馬鹿しいサイズの刃を為し、その全体に濃密な魔力を纏わせている。

「………《アンサラー》!!」

回答者の意を持つ聖剣の名を冠した一撃は、正しく暁人の答え、覚悟を示した魔法だ。決して阻む事の叶わぬこの刃は、純粋な質量だけでも次元航行艦を一撃で破壊するだけの威力を秘める。

敵対するものは容赦なく打ち砕く。暁人のそんな思いから産み出された切り札の一つであった。

カートリッジ五発、残留魔力の七割という莫大な消費と引き換えに手に入れるのは、絶対的な攻撃力。

横薙ぎに振るわれたそれは、ヴィータのギガントシュラークをいとも容易く弾き返した。

「嘘だろ!?」

「っ!ヴィータ!!」

信じられない様に呆然と立ち竦むヴィータ。シグナムがその腕を掴み、自分の方に引き寄せる。

「ハァァァッ!!」

そこに振り下ろされる氷刃。雪煙を巻き上げ、轟音が大気を揺らす。常識的に考えれば取り回しの悪いその刃の隙を狙えば良いのだが、暁人から放たれる言い知れない“圧”が、二人にその選択肢を選ばせなかった。

そして数秒後、二人はその選択が正しかった事を知る。振り下ろされた刃が、そのサイズからはあり得ない速度で引き戻され、再び薙ぎ払われたからだ。明らかに異常な剣速は、しかし実にシンプルかつ原始的な方法によって産み出されていた。

暁人は斬撃に合わせ、刀身からジェット噴射の様に魔力を放出しているのだ。非常識な速度で振るわれる、非常識な攻撃力。正面からぶつかって勝てるモノでは無い。

ある時は緻密に、またある時は豪快に。常にその場の“最善”を実行する。それが白峰暁人という魔導士であった。










「ヴィータ!シグナム!」

離れた場所から戦場を見守っていたはやては、暁人の猛攻に晒される二人を見て思わず声を上げる。だが、

『問題ありません。主は術式の完成を。』

『そーだぞ
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