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ヘタリア大帝国
105部分:TURN10 アイドルレーティアその九
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TURN10 アイドルレーティアその九

 オーストリアは自分の旗艦の艦橋でだ。こう士官達に言っていた。
「この戦艦はです」
「御気に召されませんか」
「そうだというのでしょうか」
「少し。私の趣味ではありませんね」
 ドクツの軍服を着ているがそれでもだ。こう言うオーストリアだった。
「どうも」
「オーストリアさんはそうですよね」
「もっと優雅な」
「そうしたものをお好みですよね」
「はい」
 その通りだと答えるオーストリアだった。
「そうです。これはドイツですね」
「まあ。それはですね」
「ドクツはドイツさんが中心ですから」
「そうした国家ですから」
「そこは仕方ありません」
「そのことは理解しているつもりです」
 オーストリアもだ。このことは受け入れてはいた。しかしだったのだ。
 コーヒーを飲みながらだ。彼は言うのだった。
「音楽ですが」
「あっ、音楽隊は用意してあります」
「何を聴かれますか?」
「シュトラウスをお願いします」
 オーストリアが今リクエストした音楽家は彼だった。
「ラデッキー行進曲を」
「わかりました。それでは」
 オーストリアも頷きだ。その曲でいいとした。そしてだ。
 そのラデッキー行進曲を聴きながらだ。彼はモニターを開きだ。ショートの黒髪にオリーブ色の光を放つ鋭い目をした。いささかきつい感じの美女に問うた。
 見れば灰色の軍服に膝までのスカート、そしてタイツだ。かなり真面目な格好である。
 その彼女にだ。オーストリアは問うたのである。
「トリエステ=シュテテルン提督」
「何だ、オーストリア殿」
「私はルーマニアルートでしたね」
「そうだ。そこからギリシアに入ってもらう」
 その提督、トリエステはオーストリアにきびきびとした声で答えた。
「そこはベートーベン提督が向かう」
「そうだ。いいだろうかオーストリア殿」
 モニターにもう一人出て来た。見ればかなり印象的な風貌をしている。鬣の様な白髪にライオンの様な顔の初老の男だった。黒いドクツ軍の軍服を着ている。
「私と共にルーマニアからギリシアに向かおう」
「わかりました。それでは」
「二人でルーマニアからギリシアに向かってくれ」
 シュテテルンはオーストリアだけでなくベートーベンにも話した。
「私はハンガリー殿と共にブルガリアから入る」
「わかりました」
 モニターにまた出て来た。今度はハンガリーだ。
 その彼女がだ。真面目な声でシュテテルンに答えたのである。
「では提督、共に行きましょう」
「そうしよう。それでだが」
「それでとは」
「ギリシア戦はすぐに終わらせる」
 そうするとだ。シュテテルンは強い声でハンガリーに述べた。
「そしてだ」
「その次ですね」
「オフランス戦の用
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