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メスデカ
仮説
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にでもある普通のAVでしたね、女優にも魅力がなくあまり売れへんかったと思われます」
 テッペイだ、話の様子だと見る必要がないと思われた。

「一応監督に当たってみてね」
 結子に言われテッペイが「はい」と答える。
「特にこれといった物はありませんでしたが、ただ……」
「ただ?」
 結子が宮迫に聞く。

「ただ、調べていくうちに、侍の文字とは関係ないのですが、捜査地域で侍のコスプレを趣味としている女の子が失踪する事案が頻発していました、調べただけで5件です」
「それよ!それだわ!犯人はエスカレートしているのよ」

「どういう事?」
 木村が結子に聞く。
「1人目は絞殺したあと屍姦でした、しかし屍姦では満足できなかった犯人は2人目は強姦したあとに絞殺しています、しかしそれでも満足できずに3人目の前田弘美には強姦したあと表に連れ出しています」

 結子は今度は部下を見渡しながら語る。
「それぞれ左臀部に侍の文字を書いているのは被害者を侍に見立てるためよ、そして前田弘美を連れ回したのは、侍を操ることにより、征服欲と支配欲を満たすため」

「失踪の5件と3人の絞殺の関連性は?なぜ同一犯だと思うの?」
 木村が聞く。
「犯人はエスカレートしています、3人に侍の文字を書いてみたもののやはり文字を書いたところで侍にはならない、だからエスカレートして侍のコスプレを趣味にしている女性を狙ったんです」

「3人は絞殺、5人は失踪よ」
 木村が認めない。
「拉致監禁した方が侍を自分の思い通りにできます」
 あきらめない結子に木村が軽く首を振り
「貴女の言ってることは推測に過ぎない、何も根拠がないのよ、失踪の捜査は許可できないわ」

「コスプレの女性を拉致監禁したところで犯人は満足していません、よりエスカレートしているはずです」
「なぜそう言い切れるの?」
「偽物だからです、犯人は本物の侍を自分の物にしたいのです」

「本物の侍?」
 木村が呆れたように目を細める。
「コスプレではなく本物の侍がイメージできるもの、それは剣道です、それも有段者、いえ、もっと侍に近い……大会で上位に入る者」

 木村は空いた口が塞がっていない。
「貴女の推測……いえ……妄想に近いわ、みんなどう思う?」
 木村が一同を見渡す。
「係長、主任の妄想……いや、勘……いや、推測は良く当たりますぜ」
 語尾に“ぜ“を入れて場の雰囲気を宮迫が変えようとする。

「西島と丸山はどう?」
「根拠がないと言えばないんやけど……今まで根拠の無いところから事件を解決してきました」
 丸山が答える。

「俺は主任についていくだけです」
 最後に西島だ。
 結子は目頭が熱くなっていくのを感じた。
「負けたわ、部下に信頼されてるのね
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