ペルソナ3
1871話
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あのね……」
俺の口から出た言葉が気に入らなかったのか、ゆかりが不満そうにこちらを見る。
だが、実際問題、ゆかりのその能力に過度な期待をするのは、やめておいた方がいいと思うのは間違いない。
そもそも、桐条の仮説が正しければ、戦闘を回避出来るのはあくまでもゆかりにはどうやっても勝ち目のない、弱いシャドウに限定されている。
そして俺達が目標としているのは、あくまでもタルタロスの最上階。
であれば、常に最前線での戦いとなり……そういう意味では、弱いシャドウと戦うという事は、基本的にはないと思ってもいい。
……まぁ、今みたいに16階より上に行けないのであれば、自然と15階での戦いを繰り返す事になり、そのうち15階の敵もゆかりを見れば逃げ出すようになる可能性は否定出来ないが。
「とにかく、事情が予想出来たのはよかったな。……宝箱を集めるとか、そういうことをする際には便利そうな能力だと思うが」
荒垣が強面の顔に少しだけ笑みを浮かべながら、そう告げる。
元々面倒見がいい荒垣だけに、ゆかりがシャドウに逃げられるという特殊な力を持っているというのは心配していたのだろう。
「俺にも……あの時、岳羽くらいの力があれば……」
口の中だけで呟いた荒垣だったが、その声は俺の耳にしっかりと聞こえてきた。
……何について後悔しているのかは分からないが、恐らく桐条や真田達と別行動を取る事になった原因についての話なのだろう。
「とにかく、今日のタルタロスでの戦いはこれで終わりにしよう。色々とそれぞれ課題も見えた事だしな。……アルマ−、今日は助かった」
そう告げてくる桐条の言葉に、俺は頷きを返すのだった。
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