ペルソナ3
1871話
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を現したのは、臆病のマーヤが歩いているすぐ側だった。
「おい、俺は戦わねえぞ!」
自分がタルタロスでは戦わないという事を分かっているのかと、そう言う荒垣。
だが、俺だってそれは承知の上での行動だ。
俺と荒垣の姿を見ると、真っ直ぐこちらに向かってくる臆病のマーヤ。
当然のように、俺に向けてブフを放つが……ゲイ・ボルグを抜くまでもなくあっさりと放たれた氷柱を掴む。
吹雪だったり、もっと小さい氷を無数に放つような形態のブフであれば、俺もこうあっさりと掴む事は出来なかっただろう。
だが、今回のように大きめの――それでも手で掴める程度の――氷柱1本では、当たればダメージは大きいかもしれないが、そもそも当てるのが難しい。
俗に言う、当たらなければどうという事はない、って奴か?
ん? これ何の台詞だったか……まぁ、今はそんな事を考えている場合じゃないか。
とにかく、荒垣を相手にしてもシャドウは特に躊躇する事もないまま、襲い掛かってきた。
であれば、シャドウが襲ってこない一件はゆかりに理由があると考えていいみたいだな。
けど、何でゆかりだけをシャドウが怖がるんだ?
そう疑問に思うも、ここでそんな事を考えていても答えは出ないだろうと判断し、ゲイ・ボルグで臆病のマーヤを倒すと、荒垣と共に元の場所に戻る。
「どうだった?」
どこか期待した表情でそう尋ねてきたのは、ゆかり。
やはり自分だけがシャドウに恐怖されているというのは、信じたくはなかったのだろうが……そんなゆかりの言葉に、俺は首を横に振る。
「この場合は残念ながらって表現した方がいいんだろうが、荒垣が相手でもシャドウは攻撃をしてきた。となると、やっぱりシャドウが怖がっているのはゆかりだけだという事になる。……理由は不明だが」
『ふむ、そうだな。取りあえず有里に実戦を経験させることも出来たし、エントランスまで戻ってきてくれないか? そこで話をしよう。出来れば私も、通信機越しではなく直接話をしたいからな』
そんな桐条の言葉には誰も異論がないのだろう。
それを確認し、俺は全員を影のゲートでタルタロス1階にあるエントランスに運ぶ。
「皆、ご苦労だったな。……有里、初めてのシャドウとの戦闘はどうだった? いや、寮で戦闘しているのだから、初めてという訳ではないのだろうが」
「そうですね。思ったよりは動けました。それがちょっと意外でしたね」
シャドウとの戦いに慣れていない割に、有里はあっさりと……それこそ特に緊張した様子もなく、そう告げる。
うん、こうして見るとやっぱり有里は色々と特殊なんだよな。
「そうか。これからは色々と大変になるかもしれないが、頑張って欲しい。……さて、ではそろそろ本題に入りたいと思うのだが……」
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