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提督はBarにいる。
ハロウィン間近!カボチャレシピ特集・その4
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。ご馳走さまでした」

 そう言って赤城は店を出ていった。

「珍しいですね、『また来ます』なんて」

「あん?」

 早霜がしきりに首を傾げている。

「普段赤城さんはお店を出る時、『また今度』って言うんですよ。あんな他人行儀な言い方……」

「ま、そういう気分の時もあるんだろ。っと、いらっしゃ……あら?」

 早霜との会話の最中、ドアベルが次の客の来店を告げる。出迎えの挨拶をしようとして、俺は固まってしまった。なにせ、ドアの前に立っていたのは。

「今晩は提督、南国とはいえ夜は流石に冷えますね」

 先程まで店にいた、赤城だったのだから。

「どうしたんです?提督も早霜ちゃんも。私の顔に何か付いてます?」

 硬直する俺と早霜を見て、はて?と首を傾げている赤城。

「いや……赤城。忘れ物でもしたのか?」

「え?何がです?」

「いや、だってさっきまでお前この店にーー」

「何を寝惚けた事を言ってるんですか」

 ピシャリとそう言ってきたのは、赤城と共に来店した加賀だった。

「私と赤城さんは、今しがたリランカ島海域の定期掃海から帰ってきた所ですよ?お店に来られる筈が無いでしょう」

「じゃあ、さっきまで居た赤城は……」

「店長、私……店内が薄暗くて赤城さんの顔を確認出来ていません」

 そうか細い声で呟いた早霜は、顔面蒼白でガタガタと震えていた。そういやもうじきハロウィンだ、ハロウィンはあの世から霊がやって来るというが、まさか……。

「あら、今日はカボチャ尽くしなんですね!私、カボチャに目がないんですよ♪」

 赤城はカウンターに腰掛けると、嬉しそうにそう言った。俺と早霜はまるでホラー映画のビデオを再生して見ているような、得体の知れない寒気に襲われていたが。こんな不思議な夜も、たまには……いや、勘弁して欲しいな。
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