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レーヴァティン
第二十七話 騎士の参入その六
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「知識は大事だからね」
「じゃあホテルに残るのは俺だけか?」
「留守番頼むね」
「風呂から出たら昼寝するつもりだったんだけれどな」
「昼寝しててもいざとなったらすぐに起きるじゃない」
 身体が自然にそうなる、これは四人共だ。冒険者の習性として何かあればすぐに目覚める体質になっているのだ。
「だから留守番頼むよ」
「ああ、じゃあな」
「宜しくね」
 こう言ってだ、源三は正を風呂に送った。その間に久志と順一はそれぞれの目的地に向かい源三は正の後で風呂に入って順一と同じ場所に向かった。そして夜だった。
 外のレストランで食事を摂りつつ情報交換をした、その時にだ。
 風呂の後は昼寝をしつつ留守番をしていた正はメインのロールポークを食べつつ自分以外の三人に言った。
「色々聞いて調べてきたんだな」
「ああ、この騎士団は今は平和だけれどな」
「周りの勢力とは上手くいってないか」
「特にリシュリュー伯爵とはな」
「その伯爵の方に問題があるんだな」
「そうみたいだな、何でもな」
 久志は居酒屋でワインを飲んでいる時に周りで話していたその話の内容について正に話した。
「この伯爵さんが相当な策謀家でな」
「騎士団領の一部を狙っている」
「あの手この手でな」
「そうした話は何処でもあるな」
 正は食べながら話す久志に応えて言った。
「俺達の世界にもあるしな」
「昔も今もな」
「それでその如何にもって名前の伯爵さんがか」
「ああ、騎士団領を狙っててな」
「今は平和でも」
「戦争になる可能性もあるみたいだな」
「そうなんだな、しかしさっき言ったけれどな」
 ここで正はそのリシュリュー伯爵についてあらためて言った。
「伯爵さんの名前がな」
「如何にもっていうだな」
「リシュリューってな」
「三銃士の悪役だよな」
 デュマの代表作の一つだ、ダルタニャン物語という実在の軍人を出して書いた大長編で彼の若き日の頃の話だ。
「そのままな」
「実際にいた人だったな」
「ああ、本当に枢機卿で宰相でな」
「実はフランスの為に働いた凄い人だったらしいな」
「作中でもよく見たらそうだな」
「悪役でもな」
 むしろ敵役と言っていい、悪役と敵役はまた違う。
「フランスの為に働いていてな」
「結果も出してる凄い人だよ」
「部下のロシュフォールもいいしな」
「恰好いいよな」
「けれどまあ名前としてはな」
 そこから受ける印象はというのだ。
「謀略家だな」
「どうしてもな」
 そうしたイメージが定着しているというのだ。
「そうなるな」
「それでな」
「その伯爵さんもな」
「名前だけで如何にもだな」
「そんなイメージだな」
「私も偏見はよくないと思いますが」
 順一も微笑んで言った。
「そのお名前です
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