第二十七話 騎士の参入その一
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第二十七話 騎士の参入
騎士団の者達、特に旗を見てだった。久志は唸って言った。
「俺も鎧や盾は持ってるがな」
「それでもだな」
「ああ、何か違うな」
こう正に応えた、四人で彼等を見ている。
「馬に乗ってな」
「俺も馬に乗ってるんだれどな」
今は乗っていなくて傍に立たせている、それはロバのパンシャも同じであり二頭共のどかな顔をしている。
「それでもな」
「御前はただ乗ってる感じだな」
それに過ぎないとだ、正はその久志に言った。
「移動用でもな」
「それで騎士さん達はか」
「人馬一体だな」
そう言っていいというのだ。
「完全に一つになってるな」
「乗っていてか」
「それが普通なんだよ」
馬に乗っているその状況がというのだ。
「それで戦うのもな」
「それで俺と違ってるんだな」
「御前馬は移動手段って思ってるだろ」
「ああ」
その通りだとだ、久志も答えた。
「実際にな」
「けれど騎士はな」
「馬に乗るのが常か」
「だからな」
「全然違うのも当然か」
「そうだよ、乗り方も自然でな」
常に乗っているだけあって、というのだ。
「絵になってるんだよ」
「そういうことか」
「御前は言うなら戦士だろ」
職業の話もだ、正は久志にした。
「基本立って戦うだろ」
「ああ、自分の足でな」
「騎士は馬に乗って戦うんだよ」
「そっちか」
「だからな」
「そこも違うか」
「全然な」
そうだというのだ、こうしたことを話しつつだ。
彼等は騎士達を見送った、彼等は兵達の出迎えを受けつつそのうえでその堂々とした姿勢で入城した。それからだった。
四人もケーニヒスベルグに入った、ここでだった。順一は城に入る時に門番の兵にあらためて聞いた。
「ところでなのですが」
「ああ、何だい?」
「こちらの騎士団に外から来られた方がいますね」
「その話かい」
順一のその話の乗ってだ、兵士はすぐに応えた。
「ひょっとしてあんた達も」
「はい、実はです」
「外の世界から来たのか」
「はい」
その通りだというのだった。
「実は」
「あの人と一緒か」
「あの人ということは」
「いや、うちに実際にな」
「外から来られたですか」
「騎士さんが一人いてな」
そしてというのだ。
「これがまた強いし人格者でな」
「真の騎士殿ですか」
「そうなんだよ、評判の騎士さんでな」
兵士は笑って話した。
「俺達からも評判いいぜ」
「その様ですね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「あんた達その騎士さんに何の用だい?」
「スカウトです」
順一は微笑んでだ、兵士にこう答えた。
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