100部分:TURN10 アイドルレーティアその四
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TURN10 アイドルレーティアその四
「仕方のない男だ」
「許して下さい。悪気はないです」
「悪気があれば許してはおけない」
レーティアの忠臣としてだ。それは絶対だった。
「その時はな」
「総統への奸臣はですか」
「やはり今度出るだろうか」
「あの娘は人を見る目も確かですがね」
だから彼等も抜擢されたのだ。そのレーティアによって。
「しかしですね」
「どうしても出るものだからな」
「ではそうした輩は」
「ゲッペルス宣伝相と協力してだ」
レーティアの第一の腹心である彼女と共にだというのだ。
「排除せねばな」
「そうですね。絶対に」
「そういえばだ」
「そういえばとは?」
「近頃親衛隊という者達がいるそうだな」
マンシュタインは彼等のことに言及してきた。
「総統閣下の為の」
「親衛隊ですか」
「貴官は聞いたことがあるか」
「いえ、初耳です」
ロンメルはこうマンシュタインに答えた。
「総統親衛隊ですか」
「総統閣下の熱狂的な支持者で構成されているらしい」
「俺達とはまた違い」
「軍とはまた違う」
そうした組織ではないというのだ。
「かといって警察でもない」
「武力組織ですか?」
「どうだろう。私兵でなければいいが」
「私兵は危険です」
ロンメルはその存在は認めなかった。
「それは統制が効かないですから」
「そうだな。正規軍でなければな」
「危険です」
「少し見る必要があるな」
マンシュタインはコーヒーカップを置いて言った。
「彼等についてもな」
「そうですね。ですが今は」
「戦争だ。まだはじまったばかりだ」
「次は北欧です」
「幸い我々は一隻の艦艇も失っていない」
まさにだ。完勝だったのだ。
「だからだ。このまま進める」
「その通りです。北欧連合王国にも勝ち」
「東欧と北欧を押さえてだ」
「いよいよオフランスですね」
「そこが第一の正念場だ」
マンシュタインは断言した。オフランス戦こそがだというのだ。
「あの国はやはり強い」
「ええ、マジノ線もありますし」
「だが。総統閣下ならばだ」
「そのマジノ線も」
「突破できる。あの娘はその為にいるのだ」
「デーニッツ。あの娘はね」
「あの娘は総統閣下もとりわけ目をかけておられる」
そのデーニッツという少女についてだ。マンシュタインはかなり認める言葉を出した。
「自分の後にドクツを任せられるとまでな」
「そこまで仰ってるんですか」
「そうだ。だからだ」
それ故にだと。さらに言うマンシュタインだった。
「あの娘ならやってくれる」
「我々の正念場を勝利に導くことを」
「確かにマジノ線は堅固だ」
マンシュタインはよくわかっていた。このことが。
そして決して侮っ
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