第四十話
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、この際だから新しい娯楽をということで、屋上に設置したわけだ。無論、俺が頼み込んだのも理由の一つだが。
「…………お前、バスケ部だったのか?」
木曾はストレッチを始めながらそう言った。おいこら屈むな、見える見える。
「あぁ。更に言うと、拓海や悠人もだ。」
俺は視線をバスケットゴールに写しながら答えた。それを見て、不思議そうな顔をする木曾。いや、どこまで女子力ねぇんだよ。
「んで、ここで飯までバスケして遊ぼうってか?言っとくけど、俺はサッカーや野球なら大得意だが、バスケはしたことねぇぞ?」
木曾は腕を上に伸ばしながら言った。今度はヘソだよ。だから恥じらい持てってば。
まぁ、既にこいつの全裸見たことある俺が言うのもアレだけどさ。
「まぁ、教えながらやるよ。あと、春雨と皐月呼んだから、もうすぐ来ると思うぜ?」
俺は手に持ったバスケットボールをダムダムとドリブルする。うむ、懐かしい。
「あ?春雨は兎も角、皐月?何でまた。」
あ、そうか。こいつは俺が皐月と仲良いの知らないのか。
「いやな?最近春雨とかと絡んでると、大抵アイツがいるから、自然と仲良くなってな。今回も春雨誘おうとしたときに近くで暇そうにしてたからさ。」
それを聞いて、暫く考えるような顔をしたあと、ニヤリと笑う木曾。
「…………どうした。」
「いや?べっつにー?」
…………腹立つなぁ。
「おい、言いたいことあるなら―。」
「皐月だよー!来たよ、ニゴー!」
「こ、こんにちは、千尋さん、木曾さん。」
俺が木曾に問い詰めようとしたところで、皐月と春雨がやって来た。なんとも狙ったようなタイミングだ。
皐月は黒地に黄色のラインが入ったパーカーにベージュのハーフパンツ、春雨はピンクのガーディアンに黒のスカートだった。春雨、それ多分具が見える。
「ん、来たか。」
「よう、春雨に皐月。」
俺と木曾は手を上げて挨拶する。
「えへへ、ボク、木曾と遊ぶのって初めてかも!」
皐月は実に嬉しそうにそう言った。
「―ッ。」
「……?木曾、どうした?」
それとは裏腹に、目を見開いている木曾。心なしか、驚きというか驚愕というかといった表情を浮かべていた。
「…………あぁ、そうだな。」
しかし、すぐに笑顔を浮かべて答える木曾。気のせいか、いつもより優しさを含んだ、優しい笑顔だった。
…………何があったかは知らないけど、なにかこいつが成長した気がした。
「さてと…………チーム分けするか!」
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