AVデビュー
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「もう少しだけ待ってもらえないでしょうか……」
「待てない、さっさと払えよ」
雑居ビルの一室、艶っぽい美人が苦悶の表情を浮かべ顔中から汗が吹き出ている。
「バーン」と机を叩きつけ男が立ち上がる。
再び叩く
「バンバンバン」
「あきー、早く払え!早く払え!」
女の下の名前を叫び呼ぶ。
木村秋(きむら あき)は下を向き目をつぶっている。
「警視庁捜査0課の係長ともあろう者が借金まみれでにっちもさっちも行かない、どうすんの?1000万だ、まだまだ利子が膨らむんだ」
目をつむる木村の目の前に自分の顔を持っていき怒鳴りつける。
「ええ、ええ、分かってるの、分かってるから、もう少しだけ待って……」
頭を下げる
「1つだけ借金を返す方法がある」
鼻くそをほじりながら男が告げる。
「方法……?」
「体を売れとは言わん、お前も刑事の端くれだからな、AVデビューしろ、短期間で金が作れるだろ」
「画像では見ていたがあそこまでの美女とはな」
結子は帰って行った、誠が嫁の陽子に話しかける。
「刑事だから簡単には行かないわね」
「ふふ、現役刑事のAVデビューか、こりゃ売れるぞ」
「刑事よ?上手く行くの?」
「心配するな、さっきの姫川より先に現役女刑事がデビューしそうなんだ」
ホワイトボードに写真を貼っていく。
「みんな、次の調査は10年前の連続殺人よ、都内で3人の若い女性が殺された事件、3人の被害者はすべて裸で左の臀部に“侍“の文字が黒マジックで書かれていた」
木村だ、やや疲れた表情で説明している。
1人目の被害者は自宅で絞殺された後に屍姦されていた、2人目は自宅で強姦された後に絞殺、3人目の前田弘美(まえだ ひろみ)は自宅で強姦された後に服を着せられて河川敷まで行き、そこで裸にされて絞殺された、いずれも同一犯だと思われる。
「この事件の捜査は私も加わるわ、捜査0課は実績を上げないといけないのよ」
木村が知的な眼差しで語る。
「係長?」
結子だ。
「貴女はいつも通りで、私は単独で調べるから」
「分かりました」
「今日は10年前の資料のチェック、明日から宮迫は被害者の親族を当たって、テッペイは被害者の交友関係を、西島は私と」
結子がテキパキと指示を出す。
「いーい?この未解決事件を必ず解決するわよ!」
「はい!」
一同が元気よく返事をする。
「被害者の左臀部に侍の文字、性癖よね」
結子が西島を見る。
「性癖……なんでしょうか?」
逆に聞く。
「何かのメッセージかしら?性癖ならそう簡単には変わらないわ」
街を歩きながらアゴに手をやり結子はしばらく考える。
「そういう性癖の人が行く店ってあるかしら?」
「あるには……あると思
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ