第12話:材料探しはリゾート探し!?(その2)
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風邪を引くような心配はありませんが、これ位の備えは用心というものでしょう。
「『ヴァルファーレ』は、一度戻った方が良いですか?何か食べたり休んだりするのでしたら、僕も今日はここで休みますので戻っても良いですよ。」
[いや、我は3、4日位戻らなくても大丈夫じゃ。食べるものも別にいらないしの。第一、主を一人にするわけにもいかないので我も此処で休むとしよう。」
「そうですか。有り難うございます。面倒を掛けますがよろしくお願いします。」
そのまま、小屋の前でしばらく海を見つめていました。こんなにゆっくり海を見るなんて何時以来でしょう。周りに人の話し声のしない、波の音だけの空間は身体が自然の中に溶けていくような感じがします。
なぜか溜息が出て、ふと周りを見渡し『ヴァルファーレ』が僕を見つめている事に気付きました。
[どうしたのじゃ?ボーとしていたが疲れたのかえ?]
「こんなに静かな時間を過ごすのはどれ位ぶりかと考えていました。屋敷にいると何時も側に人が居て、一人になる事がないので少し人に疲れていたのかもしれませんね。」
こんな時間を過ごすのも良いものですが、現実的に考えればそろそろ夕食の用意に掛かるべきでしょう。
フライで飛んで側の椰子の木から実を2個取りました。
その後、石を拾ってきて竈を作り、そこに枯れた木の枝なんか集めて火を点けます。火メイジの魔法は使えませんが、DQのメラを弱く掛ける事でライターの代わりになります。
少しずつくべる木を大きくしてしっかりした火にすると、持ってきた干し肉やパンを出して木の枝にさして焼きます。チーズの塊を薄く切って焼いたパンの上に載せるとほどよくチーズが溶けて良い感じになります。それにあぶった干し肉を載せてできあがりです。これにお昼の残りのサンドイッチを出して、こんなものですね。
砂を練金して鉈を作って椰子の実を割り、中のジュースを飲んでみると程よい甘さで喉の渇きがすっと引きます。
パンもとてもおいしくて、満足の出来る夕食になりました。最後にジュースを飲み終わった椰子の実を二つに割って、中の果肉を食べました。デザートになってとっても美味しかったです。
いつの間にか暗くなった空に、こぼれるような星が輝いて綺麗です。知っている星座がまったくないのは、地球ではないという証拠でしょうね。
たき火に大きな流木をくべて、荷物から引っ張り出した毛布をかぶります。今日は満天の星の下で就寝です。
「『ヴァルファーレ』お休みなさい。」
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