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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第643話】
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か振り向いたエレン。


「彼女はただお腹が空いている様だな。 織斑一夏からミルクを出されたが冷たいミルクだとお腹を下す可能性があるらしく手をつけなかったらしい」

「え? エレン、お前猫と喋れるのか?」

「何を驚いている織斑一夏。 この程度の意志疎通は目を見ればわかる」

「ふーん」


 そういって一夏はにゃん次郎に近付く――いきなりだったからかタタッと横を駆け抜けていき、未来の足下に移動した。


「ふふっ、お腹が空いてるんだねにゃん次郎♪」

「みゃうっ」


 頷いたにゃん次郎に目を細めて優しくにゃん次郎の顎を撫でる未来――と。


「おーい、そろそろ自由行動の時間だぞ?」


 余りに遅く、部屋を覗き見る簪の後ろからヒルトの声が聞こえてきた。


「……ニャッ!!」


 タタッと未来の足下をかけて走り、ヒルトの元に向かったにゃん次郎――だが悲劇は簪に起きた、猫アレルギーの簪はにゃん次郎が近付くだけでくしゃみが止まらなくなった。


「くしゅっ! くしゅんっ!」

「あ、簪は猫アレルギーか……。 山田先生、にゃん次郎を――」

「!!!!」


 遅れて現れた山田先生を見たにゃん次郎は跳び跳ねる。

 山田先生が手に持つ何かの木の実――それはマタタビだった。


「あらあら、やっぱり猫さんはこれですねえ」


 通路で屈むとにゃん次郎は山田先生の手に飛び付く。


「ニャンッ! にゃんにゃん♪」

「うふふ」


 山田先生は手のひらを開く。

 するとにゃん次郎はその香りを吸い込むと――。


「ふにゃあ……にゃうぅ……♪」


 と、普段のツンとしたにゃん次郎ではなく愛らしさ満載の可愛らしい猫の姿を見せていた。


「やっぱ猫にマタタビは効果抜群ってやつだな、これが」


 にゃん次郎を一度見てからヒルトは山田先生に視線を移す。

 僅かに頬が紅潮する山田先生は内心穏やかではないものの、取り繕って答えた。


「そ、そうですねえヒルトくん。 こほん……じゃあ織斑くん、あまり嗅がせ過ぎない程度にマタタビを与えて下さいね。 後皆さん、自由行動は羽目を外しすぎないように」


 そういって山田先生はマタタビを一夏に渡すと踵を返して戻っていく――にゃん次郎はというと、マタタビの誘惑には勝てず、それを持つ一夏に抱きついたのだった。


「げ、現金なやつだなぁ」

「いや、ただ単にマタタビ持ってるからだろ?」

「そうだよ、マタタビのおかげで織斑くんはにゃん次郎と交流持てたんだから感謝しなきゃ」


 ヒルト、美冬とそう言われて納得したのかしてないのか微妙な表情の一夏――にゃ
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