フィギュアスケートの堕天使
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「スタッフの居場所が分からないって言ってたけど、バイトでも住所の確認はするよね、なのにあのクーって人知らないって」
すねたように結子が喋る。
本署に戻るとすでに宮迫と丸山が戻っていた。
「これといって新たな情報はありませんでした」
悔しそうな宮迫。
「AV撮影が終わったその日に自殺してます、かなりどぎつい撮影内容やったみたいです」
丸山の情報は自殺の可能性を高めるものだ。
「撮影内容を苦にした自殺、それだと3年前の一課と同じ判断になるわね」
軽くアゴに手をやる結子。
「みんな聞いてくれ」
上の階の室長室から片岡が階段を降りてくる。
「この捜査はここで打ち切りだ、上からの命令だ」
一同が驚きの声を上げる。
皆口々に不平不満を述べている、中でも結子の不満が強い。
「どうしてですか?私は他殺の可能性があると睨んでいます」
「姫川、君の言いたい事は分かる、しかし命令は命令だ」
「納得できません!」
「姫川!これは命令なのよ!悔しいのは貴女だけじゃないわ」
木村も悔しそうだ。
結局、理由が話される事はなかったが皆の話を聞いていると、どうやらソフトオンデマンコリアの圧力ではないかという話だ。
「警察が一企業の圧力に屈する?」
結子は納得がいかない。
「あくまでも噂ですが……」
宮迫の話によればこのソフトオンデマンコリアという会社は日本の政界や経済界、そして警察にも影響力があるという。
「韓国の会社よね、なんで日本の警察が……」
結子は非番の日に1人で浅井姉妹の捜査を続行していた。
「ピンポーン」
チャイムを鳴らす、そこは「AV被害者を救う会」の代表が住むアパートだった。
「カチャ」
ドアが開く
「警視庁捜査0課の姫川です」
「お待ちしておりました」
中年の女性だ、女優の波瑠に似ている。
あらかじめ連絡をしておいたのですんなりと中に入れてもらえた。
「AV女優の自殺者は多いです」
「そうですか、浅井姉妹について何か聞いている事はありますか?」
「私は特に知りません、しかしこの業界に詳しい人がいます」
「教えていただけますか?」
「はい、鈴木誠という人です」
休む間もなくその足で鈴木宅へと向かう、それほど遠くはない。
「豪邸ね」
鈴木宅に着く、都内で豪邸だ、先ほどの話ではアダルトショップの店を営んでいると聞いた、そんなに儲かるのだろうか?
チャイムを鳴らす
「はい、どちら様でしょう」
女の声だ
「警視庁捜査0課の姫川と申します、少しお伺いしたいことがありまして、時間は取らせませんので」
応接間に案内される、そこには50前後と思われる小太りの男がソファーで待っていた。
「どうぞお掛け下さい」
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