0210話『巻雲の相談と強請り』
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に足りる方々だと思うけど、それ以外の人に関してはあまり信用ならないからね」
「そうなんですよー」
思い出すのは司令官様にセクハラをしようとしていた例の別の鎮守府の提督の話。
どうにもそいつはきな臭いイメージがしましたので巻雲は心配です。
もちろん司令官様も気づいていると思いますけどね。
司令官様は女性の身体でありながら心は男性のままですから違った視線を感じ取れるらしいという話を前に聞いた。
だから事前にセクハラをされないで済んでいるわけですし……。
「まぁ末端の夕雲たちがとやかく言える立場ではないから提督の事を信じるしかできないんだけどね」
「そこもどこか歯がゆいです……。でも」
巻雲は袖を何度も振りながら、
「きっと司令官様なら大丈夫だとも思うのですよ。確かに不安ですけどそれでも今までこうしてこの世界で過ごしてきたわけですから司令官様も誰が信用出来てだれが怪しい人なのかも区別は出来ると思いますから」
「そうね。そこは見る目がある提督の事だから多分平気よね」
「そうです!」
夕雲姉さんとそんな会話をしている時でした。
扉がノックされたのでやっと来たかな?と思って出て行って扉を開けるとそこには司令官様と一緒に長波の姿もありました。
「おー! 巻雲姉、やっぱり夕雲姉と一緒にいたんだな!」
「お邪魔しても大丈夫かい? 巻雲」
「どうぞどうぞ! 多少汚いところですけど座れるスペースはありますので大丈夫です!」
「そんじゃあたしも座らせてもらうわ」
「長波はちょっと図々しいですね」
「いいじゃん! あたしもせっかく巻雲姉のお祝いをしにきてやったんだから大目に見てくれよ、な?」
「まぁ、いいですけどね……」
それで司令官様と長波を部屋の中に入れる。
「提督、長波さんもいらっしゃい」
「おう!」
「ああ。同席させてもらうよ」
「それじゃそろそろいいかしらね?」
「そうだな」
「ん、そだね」
……ん? なにやら巻雲が知らないところで三人が示し合わせたかのように言葉を交わした後にクラッカーを取り出して三人で一斉に打ち鳴らしていました。
パンッ!パンッ!という軽快な音が鳴り響いて少し煙も上がっていてそして、
「巻雲ー! 進水日おめでとう!」
司令官様が代表して私に贈り物を渡してくれました。
それから夕雲姉さんと長波も色々と渡してきたので、
「もしかして……夕雲姉さんもグルだったんですか〜?」
「ごめんなさいね。もう昨日の間にこの計画は立っていたのよ」
「そういうこった」
夕雲姉さんが手を合わせてごめんねポーズをして、長波が二ヒヒと笑いながら言葉を紡ぐ。
うー……なにか腑に落ちませんけど、でも嬉しいのは確かですからここは流されておきましょう。
「ま
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