EX回:第13話(改2)<提督とマスター>
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えるのだろうか?)
だが提督は、そんな『お茶目』な赤城さんには目もくれず。
「さぁ、入った入った。」
皆を部屋の中に案内する。
その言葉で私もハッと我に帰る。
「ホラ、提督もあぁ言ってるから立ってくれ」
床にへたり込んでいる赤城さんに私は手を差し出した。彼女は一瞬、私の手を掴みかけて急に何かに気付いたような表情をする。
そしてサッと手を引いた。
「いえ……失礼しました司令」
赤城さんは軽く掌を立てて私の差し出した手を静かに否定した。
「独りで立てます」
少々、頬を赤らめながら彼女は生真面目な表情と硬い口調で応えた……このギコチナイほど上品ぶった雰囲気こそが、いつもの赤城さんだ。
(やれやれ、やっと平常運転に戻ったのか)
私は安堵した。
それを見ていたブルネイの赤城さんが苦笑しながら説明する。
「腹が減っては戦は出来ぬ……私たちは空腹になると、つい我を忘れてしまうんです」
「ああ、まったくだね」
私も赤城さんの性格は百も承知だ。今さら恥ずかしがることもないだろうに。見れば、さっきよりも真っ赤になっている。その不器用さが妙に可愛らしいよな、この子は。
「うふふ、司令はダメでも私なら恥ずかしがらなくて大丈夫でしょ?」
そう言いながらブルネイの赤城さんが改めて手を差し出した。
「ありがとう」
「良いのよ」
立ち上がった二人の赤城さん。
(ややこしい!)
そんな私たちは行列の一番最後から提督の執務室に入った。
ここにいる全員が入っても余裕ある、大きな執務室だ。
だが広いとはいえデスクや書架など事務に必要なものしかない。
日向が心配そうに言う。
「ここで食事が出来るのか?」
「食器とか食材を他所から持って来るのかしら?」
これは龍田さん。
「確かに流しも何も無いが」
そう言いつつ私も首をかしげる。提督の意図が分からない。
金剛が言う。
「この部屋は広いデスが、お料理を持ってくるのデスか?」
それを受けて比叡も続けた。
「まさかSF映画とかに出てくるようなチューブとかブロックみたいな味気ない食事が出て終わりとか?」
私も苦笑した。
「そりゃ無愛想だな……しかし比叡、どこからそんな発想が出てくるんだ?」
「へ?」
なぜか詰まる彼女。
「あはは! 新しい比叡さんも休みの日には、やっぱアニメとか見てるんですか?」
突っ込んできたのはブルネイの青葉さん。
『え?』
二人の比叡が同時に驚きの声を上げて顔を見合わせる。図星か。
しかしブルネイの提督は怪訝そうな私たちには、まったく動じていない。
「はーい、その辺の壁とか家具とか触らないようにな」
彼は大きめの声で注意
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