EX回:第13話(改2)<提督とマスター>
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て並んで立つ赤城さんたちは顔から雰囲気から全てが同じだ。もはや双子とも言える。
しかし何分も、ずっと同じ廊下を歩いているな。
(この本館の建物自体が大きい)
これはきっと現地の土地や建設コストが安いのだろう。美保が小さくてコンパクトなだけに、こういった余裕のある造りが羨ましい。こういう土地に居れば性格も大らかになりそうだ。
異様な気配に何気なく見ると双方の金剛に両軍の比叡が互いの『お姉様』をチェンジして、ほっぺたをスリスリしている。
「はぅあぁ、更に改装したお姉さまも凛々しくて素敵ですぅー♪」
「コッチのお姉様も昔を思い出すようで素晴らしいですぅー♪」
比叡は相変わらずマイペースだ。そして美保の金剛も、だいぶ体調が戻っているようだ。ブルネイの比叡が甘えても優しく受け止めている。そこは姉としての自然な振る舞いなんだな。
「す、すいません、ウチの娘達が」
祥高さんがブルネイの提督に頭を下げている。
しかし彼はニコニコして応える。
「あぁ、いやいや。喧しいのはウチもいつもの事さ。ただ同一の艦娘でも似ている所や似ていない所があるモンだと思ってね」
(確かにそうだ)
彼の観察眼には私も同意する。同じ艦娘であっても個性があって少しずつ違うようだ。それに経験値や装備によっても各々違ってくるのだろう。
美保の龍田さんが聞く。
「今日の演習みたいな状況って実戦でもアリなのかしら?」
すかさずブルネイの青葉さんが応える。
「いや同じ艦隊で同時に同じ艦娘を二人を使うのは指揮系統に混乱が生じますから、ほとんどやりませんね」
「へぇ」
そこは納得した龍田さん。確かに現実的にスペアの艦娘が居たとしても運用面では混乱するから、あり得ないのだろう。
私たちは、ようやく鎮守府本館の中央付近にある提督執務室の前にやってきた。提督が『ここだよ』という感じで指している。
「えー?」
まず比叡が驚く。
続いて赤城さん。
「ここって執務室?」
すると一方の赤城さんがヘナヘナと脱力して床に崩れ落ちる。座り込んだのは美保の彼女か?
「赤城さん、そんなに期待していたんだ」
苦笑した私は、へたり込んだ彼女に言う。
赤城さんは口を尖らせながら恨めしそうな目で私を見上げた。
「だってぇ」
ドキッとした……凄いギャップ。
(何だ? この可愛い反応は)
最近の彼女の反応は、まるで、お笑い芸人だ。
「おいおい、幼児返りか?」
少し前の赤城さんなら、もっと生真面目に返しただろう。
一航戦といえば以前、他所で見かけた加賀さんとも十分、釣り合うくらいに澄ましていたハズなんだが。
(日向と同じく私と彼女は、あまり『壁』を感じないから……余計にそう思
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