最終話 「好きに生きる」
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し体はイロイロ検査されるし、教官職からも外されるし。何から何まで散々なもんだが……それでもやっぱ、帰れる場所があるってのは嬉しいもんだな)
――それから1週間。威流は心身を休めるべく、この獅乃咲家で療養の日々を過ごしていた。
この屋敷に帰ってきた途端、許嫁に散在泣かれたのは言うまでもない。
(……葵にも、随分心配掛けちまったみたいだしな。これからは、ちゃんとあいつのことを見てやらなきゃ――ん?)
だからこそ、これからは彼女のために生きねば。そう決意を固めようとした、その時だった。
――布団の下に、何かがいる。それを感じ取った彼の眉が、何事かと吊り上がった。
「……葵?」
寂しさゆえか、今まで会えなかったことの反動ゆえか。許嫁は度々、威流の布団に潜り込み、添い寝をせがむようになっていた。
そんな彼女をいつも、威流は快く迎え入れていたのだが――昨夜は確か、彼女は来なかったはず。
では、今朝になって入り込んできたのか……と、威流が判断したその時。
「――ではなくて、申し訳ございません」
「なぁっ!?」
許嫁にはない、蒼い髪を靡かせて。あの日に別れたはずの神代の巫女が、顔を出してきたのだった。――それも、生まれたままの姿で。
吐息が顔に掛かるほどに迫られ、威流は理解が追いつかず素っ頓狂な声を上げる。そんな彼の様子を、ルクレイテは悪戯が成功した子供のように笑っていた。
「な、なんで君がここに……!?」
「なぜも何も……以前、仰ったではありませんか。いつかまた会おう、と」
「そ、それはそうだが……!」
「それに、こうも仰った。私も、好きに生きて構わない――と」
「お、おい、ちょっとルクレイテさん!」
「ふふ、言質はすでに取ってあります。後悔しても――遅いですわ」
彼女は威流の状況把握が追いつくよりも速く――逞しい彼の掌を、自分の胸に押し当てる。巫女ではなく、強い雄を求める女として。彼女は自身の色香を武器に、威流にその肢体を擦り付けていた。
――すると。喧騒を聞きつけたのか。ドタドタと荒々しい足音が、この部屋に近づいてくる。その展開に、威流が頬を引きつらせた瞬間。
「威流様! 一体どうされま……な、なんですか貴方!」
「貴方、どうして!?」
「あ、葵! 円華まで!」
「あら、こうしてお会いするのは初めてですわね。シノザキ・アオイ様。それに、お久し振りですわ。シバ・マドカ様」
許嫁と、その従者がこの寝室に駆け込み――眼前で繰り広げられている事態に、目を剥いてしまった。円華と違い、ルクレイテとの面識がなかった葵は、彼女の暴挙に顔を赤らめ激怒する。
「な、なぜ私の名を……ま、まさか貴方が例の宇宙人!?」
「えぇ。ルクレイテ――と申します。何
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