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赤き巨星のタイタノア
第11話 神は力を、人は勇気を
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て何になるんだ――って思ってたが。案外、バカにならねぇもんだな」

 その瞬間を目撃した円華と竜也は、全てを悟ると狐につままれたような表情を浮かべていた。
 ――人が巨大ロボットの中に乗り込み、手足を操って怪獣を倒した。そんな話をどう上に報告すればいいのか……と、竜也は頭を悩ませている。

『やったぁあ! やったぞルクレイテぇえ! 父上はやったぞぉおおん! うぉおぉおん!』
「ちょっ……おい! せっかく皆にいいとこ見せたばっかりなのに、なに泣いてんだよ! 威厳はどうしたんだ威厳は!」
『うぉぉっほぉおおん! うおぉおぉん!』
「……ったく」

 ――そんな周囲の反応や、自分を見上げる威流の呆れ顔など、おかまいなしに。タイタノアは先ほどまでの臆病さが嘘のように、喜びのまま踊り狂っていた。
 威流はやがて、そんな彼を「手のかかる兄弟」を見るような眼で見つめ、苦笑いを浮かべる。……彼がいる大木の近くまで駆け寄ってきたルクレイテも、父の姿を苦笑気味に見上げていた。

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