ペルソナ3
1869話
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条の確認するような言葉に、それをきちんと理解しているのかいないのか、有里が頷きを返す。
真田に驚いた様子がないのは、今まで桐条と2人だけでオペレートの類もないままにタルタロスに挑んできたという自負があるからか。
実際、オペレートの類があるとのないのとでは大分違うと思うんだが……
そんな風に思いながら、俺は指を白炎に戻す。
「っ!?」
今までは特に驚いた様子を見せてはいなかった有里だったが、まさか俺の指そのものが炎に……それも白い炎になるとは、思ってもいなかったのだろう。
珍しく驚愕の表情を浮かべ、こちらに視線を向けている。
そんな有里の視線が向けられている先で、白炎は子犬へと姿を変えていく。
ゆかりの護衛を任せているのは子猫の炎獣なのだが、桐条の護衛を任せるのには何となく子犬にしてみた。
特に意味はないのだが……敢えて理由を付けるとすれば、イメージ的にゆかりが猫で、桐条が犬だからか?
一般的な桐条のイメージは、孤独を愛する猫といったものかもしれないが……桐条と一緒にラーメンやチャーハン、餃子を食べたり、電話で色々と話をしたり、チーズフォンデュを一緒に食べたり……そんな事をしている間に、何となく俺の中で桐条のイメージが犬になってしまったのだ。
「アルマー、これは?」
子犬の炎獣に近づかれたことに、戸惑ったように桐条が呟く。
「お前の護衛だ。今までこのエントランスでシャドウと遭遇した事はないが、タルタロスの外にシャドウがいる以上、どうにかして外に出ている筈だ。であれば、もしかしたら俺達がいなくなって桐条だけになった時、ここにシャドウがやってくる可能性は皆無とは言えない」
その護衛だと続けると、何かを考えた様子の桐条だったが、やがて笑みを浮かべて口を開く。
「そこまで気遣って貰ってすまない。感謝する」
「気にするな。……ただ、炎獣を貸せるのは今日だけだ。俺達がいない時にタルタロスに挑む時は、きちんとその辺りの対策も考えておいた方がいい。……有里、お前も……うん? 有里?」
ふと、エントランスに入ってきてから有里が静かな事に気が付いた。
元々有里は自分が自分がといった風に前に出てくる性格ではないので、特に不思議には思わなかったが……話を有里に向けてみても一切反応がないというのはおかしい。
有里をよく見てみると、特にどこか具合が悪いという訳ではなく、ただぼーっとしているというのが正しい。
どこか遠くを見ているような、そんな感じ。
「有里?」
そう尋ねるも、やはり有里が返事をする様子はない。
そんな有里の様子に、俺だけではなく他の面々も疑問を抱いたのか、この場にいる全員の視線が有里に向けられる。
だが、この場にいる全員の視線が向けられても、有里が何
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