アイングラッド編
紅き剣閃編
Paladin Proposal―聖騎士の提案
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なるのはいい。こんな世界だから少しぐらい幸せがあったっていいと思う。
だけど、それとこれは別だ。
本当に大切な人を失うという経験をして欲しくない。
それは、俺のエゴなのだろうか?
「……解った」
「……よろしく」
また、この選択を後悔してしまうのか?
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翌日、案の定新たな2人のユニークスキル使いの噂がアインクラッド中に広まった。
曰く、《軍の大部隊を壊滅させた悪魔をたった2人で撃破したコンビ》、《二刀流使いの50連撃》、《ボスのHPバーを2本も削りきった両刀使いの超攻撃力》etc。
尾ひれがつきすぎて逆に真偽が疑わしくなりそうなのに、今朝から剣士や情報屋に追い回されっぱなしだった。
いっそ、意地を曲げてヒースクリフに匿ってもらおうかと思ったが、妙な恩を売ってそれをだしに使われたら大変だ。
というわけで、最終的に逃げてきたのはエギルの雑貨屋の2階だ。部屋に入ったとたん、黒っぽい人が黒いオーラを出してブツブツ言ってたのは正直、引いたが。
「で、どういうつもりなんだよ。アスナとパーティー組むなんて」
「……わかんねえよ。なんか……こう……近くに居たいんだ」
「はあ?」
やれやれ、鈍感の原因はコレにあんのか……。
「なんつーか………、アスナと居ればわかる気がするんだ。……あのことに、向き合う方法が」
「…………」
こいつは戦ってたのか、ずっと。俺は忘れよう、逃げようとした。もう、この事は思い出すまいと……。
「ったく、お前は強いやつだよ……」
「ん、何だって?」
「何でもない」
エギルは昨日の戦利品を鑑定していて、時々奇声を上げているので、貴重品でも含まれているのだろう。
アスナがここに来れば分配をして解散、の手筈だ。
待ち合わせの時刻から2時間ほど経過しているが、何かあったのだろうか?
それからしばらくして、暇をもて余した俺達がそこら辺にあるものを使った五目並べで無駄に接戦を繰り広げていると、ようやく階段をトントン掛け上がってくる足音がした。勢いよく扉が開く。
「よ、アスナ……」
声を掛けようとしたキリトがそこで黙る。
いつものユニフォーム姿のアスナは顔を蒼白にし、大きな目を不安そうに見開いている。
「どうしよう……キリト君……レイ君……」
と泣き出しそうな声で言った。
「大変な事に……なっちゃった……」
「……どうしたんだ
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