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とある3年4組の卑怯者
49 愛犬
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、世話することで遅刻が無くなるのね。いい犬じゃない」
「あは・・・、そうかな・・・」
 二人が話していると、向こうから藤木と永沢が現れた。
「やあ、みぎわに西村君」
「あら、藤木に永沢」
「みぎわ、君が西村君と一緒にいるなんて珍しいな。もしかしてたまたま同じ犬の散歩してたから一緒に行こうと思ったのかい?」
「う・・・、別にいいじゃない」
 みぎわは永沢に自分の行動を読まれて恥ずかしくなった。
(永沢君、よくそこまで見抜けるよな・・・)
 藤木は永沢が凄く、また恐ろしく感じた。
「はは、その通りだよ、永沢君」
 たかしは永沢の推測が正しいことを認めた。
「ワン!」
 タロとアマリリスも鳴き声を発する。
「西村君の子犬、可愛いね」
 藤木がタロを見て言った。
「ありがとう、藤木君。でもタロも寂しく感じることがあるんだ」
「寂しいって?西村君に懐いているようだけど」
「でもタロは近所のおばさんちの犬の子供で、僕はそのおばさんからタロを貰ったんだ。お母さんに会えなくて時々寂しがることがあるんだ。僕のお母さんも僕が連れて行かれたらどれだけ哀しいか、それと同じだって言ってたから、その気持ちが分かるんだ」
「そうなんだ・・・。確かにお母さんとあまり会えないって寂しいよね」
 藤木は同情した。藤木も両親が共働きのため、平日はなかなか会えないため、たかしの犬の気持ちが分かっていた。みぎわも永沢もタロの寂しさを共感した。
「だからたまにタロをおばさんちに行ってタロのお母さんに会わせてあげてるんだ」
「そうだね。それがタロにとって一番いいことだね」
「そうだ。今度、近所のおばさんちに行ってタロとタロのお母さんを会わせてあげようと思うんだけど、皆も行くかい?」
「いいね、行こうよ、永沢君!」
 藤木は永沢に同意を求めた。
「何で僕が・・・」
「いいじゃない、アンタヒマでしょ?」
 みぎわが真顔で言った。
「仕方ないな・・・。分かったよ」
 永沢は嫌々ながらも承知した。
「そうだ、まるちゃんも連れて行こう!」
「さくらもかい?」
 藤木がたかしがまる子を連れていくことに驚いた。
「うん、まるちゃんが僕をいじめから助けてくれたからね」
「そういえばそうだったね・・・」
(そういえば僕は自分には関係ないことだとか、巻き込まれて自分もいじめられたらいやだと関わるのを恐れていたよな・・・。さくらがカッコよく思えるよ・・・。そう考えると、俺ってホント卑怯だよな・・・)
 藤木はまる子と自分を比較していた。
「藤木君、君もしかして西村君をいじめから救ったさくらが羨ましく思っているんじゃないのかい?」
 永沢に心の中を読まれた。
「あ、いや、そんなことないさ!!」
 藤木は慌てて誤魔化した。
「まあ、君は卑怯者だか
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