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とある3年4組の卑怯者
49 愛犬
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 みぎわは友人の冬田美鈴と快晴の空を見ていた。
「今日はいい天気ねえ、みぎわさん」
「ええ、帰ったらアマリリスの散歩にでも行こうかしら。きっとこの空を見て楽しくなると思うわ。ホントは花輪クンとヒデじいの車に乗ってお出かけしたいけど・・・」
「私も大野くんと一緒に歩きたいわあ・・・」
「何か良いことあるかもしれないわね・・・」

 学校から帰るとみぎわは愛犬のブルドッグの元に行く。
「さあ〜、アマリリス、今日はいい天気だからお散歩しましょ〜」
「ワン!」
 アマリリス。それがみぎわの犬の名前であった。みぎわはアマリリスを連れて家の門を出た。
「んん〜、散歩にぴったりの日ね、アマリリス、アナタもそう思うでしょ?」
「ワン!」
 みぎわとアマリリスは住宅地の中を歩き続けた。その時、反対側から一人の女子と出会った。野口だった。
「あ〜ら、みぎわさん・・・」
「あら、野口さんじゃない。貴方もどこかへお出かけなの?」
「うん・・・、兄貴が彼女とウチで遊んでいるんでね・・・、兄貴にジュース買って来いって言われていくところなのさ・・・」
「ふうん、アンタのお兄さんも人使い荒いわね・・・」
「いいんだよ、慣れているからさ・・・、クックック・・・」
 そう言って野口は歩き去っていった。
「あ〜、ロマンチックな事起きないかしら〜」
 みぎわは独り言を言っていた。なおそれを野口は聞いていたらしく、「ブーッ!」と気づかれずに笑った。

 みぎわは歩いていると、反対側から自分と同じく犬の散歩をしている男子が見えた。
「あら、アナタは西村君?」
「みぎわさん・・・?」
 西村たかし。クラスメイトの男子だった。彼は嘗てはいつも遅刻する、給食の牛乳を残すなどの何らかの理由でいじめを受けていたが、まる子がたかしを庇って頭から出血する怪我を負ってからたかしをいじめた者達も流石に反省するようになり、それ以降はいじめられなくなった。また、遅刻も減っていったのだった。
「あら、子犬じゃない」
 みぎわはたかしの犬を見て言った。
「うん、僕お母さんからこいつ貰って遅刻をしないように頑張っているんだ」
「へえ、名前なんていうの?」
「タロだよ」
 その時、アマリリスがたかしの犬タロに優しげな顔をして「ワン!」と言った。おそらく挨拶のつもりだろう。タロも「ワン!」と返した。
「あらあら、2(ふたり)とも仲良しになったみたいね」
「うん、一緒に散歩しようか」
「いいわね」
 こうしてみぎわはたかしと一緒に散歩することになった。
「それにしても西村君って犬飼ってたのね」
「うん、お母さんに犬を飼うことになったら遅刻しないようにするって約束したんだ。おかげでタロは朝ご飯を食べたくて僕を起こしに吠えておかげで遅刻しなくなったんだ」
「へえ
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