0209話『初霜と雪風の本音の話し合い』
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の喜ぶ笑顔を見るのが大好きなんです」
嬉しそうに笑う雪風の笑顔を見て、やっぱり雪風には敵わないなと思う自分がいた。
この子はどこでもやはり笑顔を絶やさない子でいるのだ。
それがどれだけ皆さんを勇気づけている事かが分かる。
「まったく、雪風はどうしてそんなに強い子なんですか」
「当然です。雪風は皆さんより少しだけですけど長生きしましたから! 確かに名前も変わって他国に使われたのは少し思う所もありますけど、それでも人を救い続ける事には変わりありませんでしたから……」
「そう……」
雪風は胸に手を添えて過去の事を思い出しているのかしら?
とってもその姿が尊いものに感じたわ。
「立派よ雪風。貴女の事を誇らしく思うわ」
「えへへ、ありがとうございます!」
そんな時でした。
私の部屋の扉がノックされたので私は返事をしました。誰が来たのでしょうか……?
『私だ。入ってもいいか初霜?』
「しれーです!」
「そうですね。はい、入っても大丈夫ですよ提督」
『わかった。それじゃ入らせてもらうよ』
そう言って提督は私の部屋に入ってきました。
その手にはなにかが握られていて、おそらく私に贈るものだと分かったので少しですが胸が熱くなりました。
提督は進水日の方々にはいつもなにかしらの贈り物を贈っているという話は聞いていましたがまさか私にまで持ってきてくれるなんて……。
「雪風もいたのか」
「はい! しれーも初霜さんのお祝いに来たんですか?」
「そうだ。だからお祝いの品も選んできたもんだからな」
提督はそう言って笑みを浮かべます。
ああ……どうしてでしょう。提督の笑顔が少し綺麗すぎて見れません。
嬉しいという気持ちが溢れてきましてどうにかなってしまいそうです。
だから少しでも感謝の気持ちを伝えようと言葉を紡ぎました。
「あの、提督……私のためにありがとうございます」
「気にするな。私がしたいだけでやっている事だからな」
「しれーはとっても優しいですね!」
雪風はそう言って提督に抱きついていました。
こういう時は気持ちを素直に表現できる雪風の事が羨ましいと感じてしまいます。
私も素直に提督に抱きついけたらどれだけいいか。
でも、この距離感も嫌いではありません。
そう思っていると提督はなにかを思ったのか私の頭を撫でてくれました。
「初霜がなにを思いつめているのかわからないけど、たまには素直になってもいいんじゃないか? 気持ちをしっかりと伝えるのもこういう時にしかできないことだぞ」
「そ、そうですね……それでは提督。私も、その……提督に抱きついても構わないでしょうか……?」
私は勇気を振り絞ってそう言いました。
すると提督は笑顔を向けてきて、
「ああ。大丈夫だよ
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