1-1話
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ち去っていったけどね」
「へぇ……地元の人、なのかな?」
「さぁ…撮っていただけだから、それ以上はわからないけど」
それは残念だ。
出来れば、もうちょっとどういう人か知りたかったんだけど…通りすがりみたいだし、仕方ないか。
「あ、そういえばアキラくん!」
「な、なんだよ?」
「ここ、散らかしすぎ!」
りおんが下を指差す。
そこにはプラスチックパックやら弁当の包みが散乱していて、通路にまではみ出るほどの有様だった。
食い散らかしたまま水着鑑賞に食いついていたのだから、当然片付けてなどいない。
「まったくもう…ほら、片付けるの手伝ってあげるから、通路に落ちてるのもちゃんと拾って」
「へいへい…」
渋々ながらもりおんの言うとおりに片付け始める。
口うるさい委員長みたいに品行方正というわけじゃないけど、それくらいの良識と常識はある。
しかし、当たり前のようにりおんが手伝い始めると、補佐とメインが入れ替わる。
オレが一つや二つを片付けてる間に、りおんにかかれば十も片付くほど要領がイイ。
片付けはあっと言う間に終わった。
片付け終わったのにりおんは立ち去るどころか、なぜか隣の席に居座った。
その席にいたはずの男子達は恐れをなして、いまだに戻ってこない。
「ったく…何しに来たんだよりおん。 まさか片付けるためだけに来たのか?」
「なによー、用がないと来ちゃいけないわけ? いいじゃない幼馴染なんだから」
ああ、こいつは本当におせっかいだ。
同じ三年だけど、もうクラスは違うのにこいつは何かとこっちに干渉してくる。
昔ながらの幼馴染でベタベタしてくるのが決して嫌だというわけじゃないが・・・ただ好意を素直に受け止めるには恥ずかしい。
こいつが向けてくる感情に対して直視する事ができず、捻くれてた性根は感情とは全く別の事を口走る。
「いいって、ほっとけよ。 子供じゃないんだから、毎度毎度構う事はないだろ」
「…ほっとけるわけないよ」
彼女は微笑みながらそんな事を言った。
そのセリフにオレは思わずドキッとする。
彼女のセリフに、もしかしたら…と期待が頭を過ぎる。
「だって頼まれちゃったんだもん、おばさまに」
「あんのクソババァァ〜〜〜!!」
おせっかいなのはりおんだけでなく、おふくろも含めてだった。
期待したオレがバカだったよ!
親がりおんに何かと頼む事が多いのは前からずっと知っていた。
元からおせっかいな性格によるものだという事もあり、これはこれで嬉しくもある。
期待していた分、ひどい肩透かしを食らった気分だ。
「お前もそんなこと真に受けてんじゃねーよ! あんなの律儀に聞く必要ないんだか
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