1-1話
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。
だが、エイケンが撮影したシーンはどれもりおんの羞恥心と怒りを煽るには十分すぎるのだ。
幼馴染だからこそ、付き合いが長いオレにはわかる。
りおんにエロい事してると知られた時は、それが例えエロ本程度でも顔を真っ赤にさせながら怒る。 それも物理的にだ。
昔からよく知っているだけに、オレに対してかなり遠慮がない。
数々のあられもないアングルの記録映像を知られたら、顔を真っ赤にしながら「ヘンタイ!!」とか言って、往復ビンタされる事が目に見えていた。
エ、エイケェェェェン、助けてくれー!
「(許せ、アキラ…)」
は、薄情者ぉぉぉっ。
この映像を撮ったのも、このカメラの持ち主なのもお前だろうがあぁぁぁー!
既に避難圏まで距離にまで離れている友人を呪った!
謝ってるポーズはいらねえぇー!
オレ、終わった……。
「うわっ、何この人! 髪キレー!」
「…え?」
身構えていたら、りおんから予想外の反応が返ってきた。
カメラの中に一体何が映ってるのか気になり、一緒になって覗き込んでみた。
そこにいたのは、オレの日常に衝撃を与えるようなものだった。
それは“蒼い人”だった。
何よりも眼を引いたのは、髪だった。
空の色を表したかのような蒼い細糸を靡かせるポニーテール。
金の髪や赤の髪などはあるけど、蒼い髪というのはかなり珍しかった…。
コスプレか染色…というには髪の色が紛い物みたいな安物の印象が感じられない。
まるで地毛のように、しなやかでキューティクルに包まれた髪がそのまま蒼色に染め上げたかのように不自然に映らない。
それほどまでに似合っていた。
髪色と同じようにその瞳もまた青く、体付きからしてオレ達より年上なのがわかる。
顔はちょっと童顔っぽいけど、どことなく“大人”と違った落ち着いた佇まい。
軽装に使い古したショルダーバッグを肩に掛けているようだが、泳ぎに来ている様子には見えない。
だけど…この人からはどこか、引き寄せられるような雰囲気を帯びていた。
学生だとか社会人だとか…そんなしがらみなど全く感じさせない…髪が蒼いから青空を連想させる。
旅人ではなく、風来坊でもなく…ただ行きたい所に赴く風のような感じをしていた。
掴み所がなさそうで、されど芯といったものを持ちながら流れていきそうな……。
この女の人はそれくらい…自由そうな印象を覚えた。
「……」
「……」
りおんと一緒になってオレは、モニターの中にいるその人が踵を返すまで見惚れていた。
「あぁその人、昨日海辺の近くにいたんだよ。 蒼い髪をしていたからすごく目立っていたからすぐ気付いたよ。 しばらくして立
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