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探し求めてエデンの檻
1-1話
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くのが、待ちわびたと言わんばかりに期待を膨らませている顔が揃っていた。
 思春期真っ盛りの同類なだけあって、言葉はなくとも勝手に集まってくる。

 全く、お前らって奴らはとことん好きものだな。 オレもだけど。

「エイケン、例のものを!」
「う、うん。 はい」

 手渡されたのはビデオカメラ。

 この修学旅行のようなイベントでは、積極的に趣味に走るやつがいる。
 オレ…いや、オレ達はそれに乗っかるのも、修学旅行の醍醐味の一つだった。

 エイケンと呼ばれるクラスメイトが渡したそのビデオカメラは、彼の自慢の一品らしい。
 旅行中ほとんど手放さず、ずっと修学旅行の光景を撮影し続けていて、そのメモリアルが詰まっている。

 これは所謂《いわゆる》男子にとってお宝も同然の代物だ。
 グアムと言えばリゾート、つまり…そこには海辺があって、学生達は海を見たら泳がずにはいられない。
 ならば、男女入り乱れて水辺で戯れるしかない……あとは、言わなくてもわかるよな?

『おぉぉぉ…!』

 映像が再生されて一分も経たずに息を飲む声が重なる。
 貴重な体験をそのままの形で記録された映像は…素晴らしいものだった。

「ス…スゲェェ。 胸でけぇ! 何年生だよこれ!?」
「おお……輝かしき修学旅行のメモリー…!」
「水着がエロい! 生きててよかった…俺、男でよかった!」

 ビデオカメラの中には、水着姿の美少女達が戯れていた。

 オレ達の母校にはスタイルも容姿がイイ子が多い。
 カメラマンであるエイケンが厳選した選りすぐりの被写体(女子達)を、一瞬たりとも見逃す事なく映像の中に収まっている。

 モニターに映し出されている映像に、男子達は食いつくように視線を集中させて鼻の下を伸ばしていた。 勿論オレも含めて、だ。
 修学旅行中に、覗きとかもやったけど…こうして映像に残っているものは、直に見るのとはまた別格の魅力がある。

「流石はエイケン、お前はプロ級のカメラマンだよ!」

 オレはこのカメラの持ち主であるオレと同じ三年四組のクラスメイト、森田真《もりたまこと》を褒め称える。
 趣味の範疇を超えて本職に迫るほどに撮影が得意なため、通称エイケンと呼んでいる。

「ラ、ライフワーク」

 彼はそのたどたどしい口調とオレよりも小柄な背丈、そして目が隠れるような髪型のせいで地味なやつだと思われがちだ。

 しかし、独力でカメラの性能をフルに使いこなす腕前は、間違いなく本物だ。
 かなりこだわりがあるらしく、高スペックカメラの機能を持て余す事なく手足の一部のように使いこなしている。

 趣味を兼ねたライフワークが将来の本業となるのはきっと数年後だろう。

 いやしかし、これは本当にけしか
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