1-1話
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るように学友達が宥めてくるが無視した。
「はまっ…へもっ! ひあのふぉれは、ふうっ…のひいふぉふぁひぃんだ!」
黙ってろ!今のオレは食うのに忙しいんだ!
そんな言葉さえも勿体なく思えるほど、オレの口の中は忙《せわ》しなかった。 物理的に。
「いや、でも…よぅ」
「いくらなんでも多すぎだろ! というか買いすぎだ! フードファイターにでもなるつもりか!?」
「うぇっぷ…アホだ、アホがいる…」
「昼メシ食ったよな、こいつ…? み、見てるだけで胸焼けしそう…」
「あー…大盛りで…しかもおかわりしてたぜ…。 その上でどんだけ買ってきたんだよ…胃がパンパンになって破裂するだろ…」
だから五月蝿いっての。
もうほぼ自棄になって、ひたすら限界まで食う。
自分でもアホかと思えるような衝動買いで買い込んだ弁当の山だが、食わなきゃ勿体無かった。
貧乏性じみた性分と食い意地が言う…『それを捨てるなどとんでもない』、と。
ドカ食いして忙しなく食い物を口に運びながらも、それを誤魔化すように言い訳を言う。
「ごちゃごちゃうっせぇなー…デッカくなるんだよオレァ」
そう言い訳するも、これは嘘じゃない。
オレは人より少し背が小さい方だ。
身長《タッパ》のある親友がいるから、対象的に背丈が物足りなく思っている。
おまけに人に宿題や勉強を手伝ってもらっているようなバカだから、イイ所なしだ。
ならばせめて背だけでも、と無茶食いして背丈を伸ばそうと今更なあがきを思いつく。
「アホだろお前。 そんだけ食えばデッカくなるだろうよ、横にな」
「…こんなの買ってて飛行機遅らせるとかバカとしか言えないだろ」
うっ…それは言うな。
飛行機を遅らせた原因は確かにオレだから、かなり迷惑かけているのはわかる。
けど、“色々”と買うために時間が掛かったのだから仕方なかったんだ…“色々”とな。
だが、それを言い訳に口にするのは“恥ずかしい”。
もくもく…もくもく…むぐむぐ……げふぅ…―――。
終盤、もはや苦行となってきた食事もつらくなってきた。
勢いでしゃにむに食いまくって弁当を胃袋に叩き込むが…何とか完食した。
あの量は流石に自分も無茶だとは思ったけど…人間、意外とやれば出来るものである。
やはり、無理なものでも人間やれば出来るものだ。
「う〜……よ〜し! メシも食ったし…」
締めのドリンクを飲み干して空になったコップをシートの台に置いて、オレは口端を緩ませた。
「そろそろ見っか。 例のアレ…」
グラム旅行が帰路に付いても、まだ楽しみは残っている。
周りには既に数人の男子が集まっていた。
こういう事に限っては鼻が効
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