第134話
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呟いた。
「そして、この世界に呼ばれた時、大佐さんはその服をまとって現れた。うふふ、それは一体何を意味しているのかしらね?」
「……………………未練が現実のものとして実体化した……すなわち、この”影の国”は人の想念によって変容しうる。」
「あ……!」
「はは、そう来たか……!」
「いやはや……姉妹共々、本当に頭が良いお陰様で私も楽ができますよ。」
「ど、どういう事!?」
「も、もうちょっとわかりやすく!」
「ボクも全くわかんないですの!」
ユウナに話を振られて答えを出したリシャールの答えを聞いて何かに気づいたヨシュアは声を上げ、オリビエとジェイドは笑顔になっている中、事情が理解できていないジョゼットとエステル、ミュウはそれぞれ声を上げた。
「うふふ、簡単な事よ。ほら、ロレントでの”霧事件”の時にレンやルークお兄様達が”ゴスペル”による夢を”幻惑の鈴”に見せられたでしょう?」
「あ…………」
「その人が望む夢の世界……」
レンの問いかけを聞いたカリンとシェラザードはかつての事を思い出した。
「もちろん、この世界はけっして夢なんかじゃないわ。でも、人の望みに反応し、それを実体化させる………もしくは知っている場所を本物と同じように再構築する…………そうしたプロセスはとっても似ているといえるわ。」
「なるほどな……」
「確かにその説明だと”石碑”とか”扉”の働きも納得できるかも………」
「し、しかし……この状況そのものは我々の望んでいるものではあり得ないと思うんだが……」
「そうですわね………ルークやお父様達はともかく、エステル達と私達は初対面だったのですから。」
「それを言ったら俺なんて、誰も知り合いがいないんですが……」
ユウナの推測にジンとアネラスが納得している中新たに出て来たユリアの疑問にナタリアは頷き、ロイドは疲れた表情で呟いた。
「もちろんそうでしょうね。でも……ユウナ達以外の誰かなら?」
「あ………」
「私達以外の誰かが、この世界の在り方を望み、そしてその通りに、なっている………つまり、そういうこと、ですね。」
「うふふ……やっとたどり着いたみたいね。もともと”輝く環”は人の願いを叶えるための至宝。それが失われた今、何がそれを可能にしているのかユウナにもわからないけれど……その”誰か”っていうのはほぼ明らかなんじゃないかしら?」
「”影の王”ですか……」
アリエッタの言葉に頷いたユウナの問いかけにイオンが静かな表情で呟いた。
「そう、そしてその人は最初から”影の国”にいたわけじゃない。最初からいたのは女の幽霊さんの方みたいね。幽霊さんはこの場所で”影の国”を見守ってきたけど……………
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