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歌集「春雪花」
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 侘びぬれば

  去りし秋さゑ

   恨みける

 逢えぬこの身は

    年を重ねつ



 これだけ彼を恋しく想っていても、ただただ時間だけが過ぎてゆき…もう秋も去ってしまう…。

 無情に去り行く秋を恨めしく思いながらも、私はまた一つ歳を取ってしまう…。

 最早…何を恨めばよいのやら…。


 後悔ばかりだ…。



 流れゆくは

  四季も現も

   かいもなく

 想ふは侘し

   流るままにと



 ただ流れるだけの四季…それは現がそうであるからだ…。

 それはまるで櫂のない小舟のようで…いつ何が起こるか分からない…。

 恋さえも同じ…どれだけ想おうと、相手にもされなければ心は荒波に漂う小舟と同じなのだ…。

 時に愁い…一瞬でも会えれば天にも昇る心地がし…。


 結局恋も…ただ流されるままでしかないのだ…全てがそうであるように…。




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