EX回:第12話(改2)<事態急変と>
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ばされそうになりつつも苦笑しながら我慢している。
(けどホントは痛い)
ブルネイ提督の豪快な雰囲気は武蔵か大和クラスのイメージだ。美保にはそんな立派な艦娘は居ないから想像だが。
私は痺れてきた肩を軽く押さえながら応える。
「ハハハ……、まぁ、これも良い経験ですよ」
完全な社交辞令である。さっきは掌で今度は肩か……そのうち満身創痍で倒れそうだ。
機嫌が良くなった彼は続ける。
「しかしまぁ、すげぇ偶然もあるモンだ。俺たちの本来の演習相手と全く同じ編成だったとはな」
「あ……」
それを聞いた私はハッとした。
(そうだよ)
彼の今の言葉で私は確信した。
理由は分からないが私たちは何処かの艦隊と入れ替わったに違いない。
しかしこれは本当に単なる『偶然』なのだろうか?
だが私は常々『縁』はあると考えている。個人的に今回のことは『必然』に違いない。だが仮にそれが真実であったとしても今は提督には黙っておこう。余計ややこしくなる。
そういえば美保の青葉さんと夕張さんが居ない。衛生施設で入院している技術参謀も、どうなっているのか。
(やれやれ、どいつもこいつもジッとしない連中だな)
ただ彼女達が勝手にブルネイを徘徊するとしても。お祭り後のゴタゴタに紛れて何か情報を仕入れてくれるだろう。恐らく現地のケンペイさんたちも緊張が緩んでいる。
(ピンチはチャンスに……)
私は密かに、そんなことを考えながら歩いていた。
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