EX回:第12話(改2)<事態急変と>
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私を小柄な駆逐艦が支えて居る。ちょっと情けない状況だ。
直ぐに私は恥ずかしさを誤魔化すように言った。
「有難う」
「いえ……」
それまで無表情だった彼女だったが、ここで初めて自然に微笑んだ。
私は彼女に支えられるようにして立ち上がる。
振り返ると祥高さんに寛代は、まだボーッとしていた。
(……やれやれ、! お前らなぁ)
あまり期待していなかったが、さすがに呆れた。
「ボーっとしていないで、少しは助けてくれよっ!」
「……」
ダメだ。頭が回転していない。
私は自分が司令でありながら、なぜ孤軍奮闘しているのか?
思わず分析してしまう。、
1)自らの統率力が不足している。
2)艦娘がマイペース過ぎる。
3)置かれた環境が特異過ぎる。
……止めよう。虚しい。
こういう状況だとなおさら五月雨の優しさとの対比にブルネイの南国の空は無性に青く見えた。自分の身体の不調よりも精神的なショックの方が大きい。
ブルネイの提督は浴衣姿の大淀さんに何か指示を出している。私たちの周囲の雰囲気も落ち着きを取り戻してきた。
大淀さんの指示で現地の艦娘たちは会場の備品などの方付け始めた。
再び五月雨が呼ばれた。軽く会釈をした彼女は直ぐに提督の元へ。その後ろ姿を見詰めながら私は彼女が透き通るような青い髪の毛であることを改めて悟った。
「そっか……彼女は青い髪の毛だったな」
五月雨は大淀さんからも何か指示を受けていた。
ちょうどその時、美保の金剛たちも演習から戻ってきた。
龍田さんが私と秘書艦に敬礼をする。
「ただいま戻りました」
「ああ、ご苦労」
私も敬礼を返す。ふと見ると金剛や夕立はバテバテだった。
『……』
無言のまま、それでも敬礼をする彼女たち。私は軽く頷いた。演習とはいえ戦闘直後だ。精神的ショックも大きいだろう。
ブルネイの五月雨が私たちのところへ戻ってきた。
「では皆さん、こちらへご案内します」
「ああ……じゃ皆、行こうか?」
私たちは既に歩き始めていたブルネイ提督の後に続いた。
少し歩きながら改めてブルネイの敷地内を見る。ガントリークレーンや巨大な倉庫、格納庫が遠くに見える。私に続く美保の艦娘たちも盛んに指を指して何かを話している。
(この泊地は広大な敷地を有するらしいな)
美保とは大違いだ。
私たちは大きな鎮守府本館の中へと導かれた。廊下で、ふと立ち止まったブルネイの提督は私の元へ近寄ってきた。
思わず警戒する私。だがそれは杞憂だった。
「ハッハッハ、いやースマンスマン。どうにもコッチが早とちりだったなぁ」
彼は廊下に響く豪快な笑い声と共に私の肩をバシバシと叩く。それも何度も……私も吹っ飛
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