EX回:第12話(改2)<事態急変と>
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た。
(万事休すか!)
もはやこれまでかと私が観念した、その時だった。
「ていっ、……とく……大本営からコレが!」
浴衣を着たブルネイの大淀さんが何かの文書を掴んで駆けて来る。
彼は疑いの眼を向けたまま、いったん手を離した。その反動で姿勢を崩す私。
(あ痛ぁ)
口には出さなかったがジンジンと痺れる掌。思わず軽く振ってしまった。これは暫く痛みが残りそうだ……提督は万力人間に違いない。
その間に大淀さんが彼に書類を手渡した。この暑いのに浴衣で全力疾走して可哀想にゼエゼエ言っている。かなりバテたな。
その姿に私は美保の大淀さんを思い出した。そういえば彼女も四六時中、鎮守府内を走り回っていたな。
だが意外と美保の彼女は息を切らしている姿を見ない……何時も走っているから鍛えられたのだろうか。
そんな私の妄想をよそに提督は書類を確認している。
私も遠目でチラッと見た。実は視力はソコソコ良いのだ。その書面には『緊急』の判が押印されていた。
彼は直ぐに『信じられない』といった表情を浮かべる。そしてもう一度その書類を反復するようにブツブツと読み上げた。
「なになに……えっと『予定していた美保鎮守府の艦隊は濃霧の為、航行が難しいと判断。内地へ引き返す』だと? どういうことだ」
彼が顔を上げると大淀さんは少し落ち着きを取り戻したように言った。
「はい。ですから、こちらの提督は人違いで……」
そう言いかけた彼女は、まだ息が苦しそうで全部言い切れない。
ただ私は彼女の喘ぎぶりに勝手にドキドキしていた。いやいや今はそんな場合じゃないんだが。つい美保の大淀さんと比較する。当たり前だがヤッパ雰囲気は似ている。
「……」
提督は絶句した。
すると近くにいた艦娘の誰かが言う。
「勘違い、……ってか艦違い? あはは」
(誰だ? 今、言ったの)
ふと見ると……
「青葉さん……あ?」
美保ではない、ブルネイの彼女か。こっちの青葉さんも屈託の無い笑顔で私に微笑んだ。この子も似ているな。
ただ提督は、その声でちょっと表情を緩めた。私たち周辺の張り詰めた空気も一気に解けた。
少しずつ私たちを取り囲んでいたケンペイさんたちも足を止めた。急に安堵した空気が漂う。
だが私は、それまでの緊張と、この暑さで目まいがした。足元がふらつく。
「危ない!」
慌てて手を差し出してくれたのは、いつの間に戻ってきたブルネイの五月雨。
一瞬、意識が遠くなった。直ぐに気が付くと五月雨が私を支えてくれていた。お陰で私は地面に倒れ込まずに済んだらしい。
「大丈夫ですか?」
可愛らしい声で彼女は言った。
「ああ」
やや長身の
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