第2章
戦闘校舎のフェニックス
第19話 修業の成果
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オンッ!
刹那、凄まじい爆音と爆風が撒き散らされた!
爆風が迫り、腕で顔を覆って爆風に耐える。
爆風が止み、視界を広げると──。
「なっ!?」
視界に映ったのは、大きく抉れた形を残す山だった。
つまり、俺の魔力の塊が山を吹き飛ばしたのだ!
『Reset』
強化が解除された合図の音声が発せられ、体から力が抜けて膝をついてしまう。
「・・・・・・流石に力を使い切ったみたいだな」
声をかけられ、顔を上げると、そこにはボロボロな状態の明日夏がいた。
コートが右腕から三分の一ほどなくなっており、そこから覗く肌には大きな傷を負っていた。
「お、おい! やっちまった俺が言うのもあれだけど、大丈夫かよ!?」
「ん? ああ。ちょっとかすっただけだ。心配すんな」
どう見てもかすり傷ってレベルじゃないのに、明日夏は呑気そうに言う。
「あんな攻撃でこの程度ならかすり傷みたいなもんだろ。避けきれなかった俺が悪いんだから、気にすんな」
「避けきれなかった、て・・・・・・どうやって避けたんだよ!? おもいっきり直撃したように見えたけど!」
「ああ、それか。こいつを爆発させて、その爆風で飛んでな」
そう言って、明日夏は一本のナイフを見せてくれる。
確か、あれって爆発するナイフだったよな。
つーか、爆風を利用して避けるとか、無茶苦茶だな、おい!
「あんな一撃を放った奴に言われたくないけどな」
た、確かにそうかもしれないけど──ていうか、これ、どうすりゃいいんだよ!?
部長になんて説明すればいいんだよ!?
「・・・・・・これはどういうことかしら? イッセー、明日夏」
「ぎゃぁぁぁ、出たぁぁぁぁっ!?」
突然の低い声音。間違いなく部長の声だったので、思わず情けない悲鳴をあげてしまった。
「出たとはご挨拶ね、イッセー」
見ると、不機嫌ですよ、てオーラを放っている部長と他のオカルト研究部の皆がいた。
―○●○―
アーシアに傷を治してもらったあと、俺は部長に事情を説明した。
「まったく。アーシアのときといい、今回といい、あなたはいつも勝手なことを・・・・・・」
部長は呆れたように息を吐く。
「まぁ、もともと明日、イッセーの修業の成果を確認するために祐斗と戦わせてみるつもりだったからいいけど・・・・・・」
言いながら、部長はイッセーが吹っ飛ばした山のほうを見る。
「どう見ますか?」
「そうね。間違いなく、上級悪魔クラスなのは確実ね。大抵のものなら、容易に消し飛ばせるでしょう」
俺も同意見だった。
「どう、イッセー? 明日夏の話では、自信がなかったようだけれど?」
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