第2章
戦闘校舎のフェニックス
第19話 修業の成果
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ーは首を振って遮る。
「俺にはそれしかないんだよ、千秋! 『赤龍帝の籠手』以外、何もない! そのすごい神器を持っていたって、俺が持ってたんじゃ意味がない! まさに『宝の持ち腐れ』、『豚に真珠』ってやつだな・・・・・・」
「そんなこと──」
どこまでも自分を卑下するイッセーに千秋はなにか言おうとするが、俺はそれを手で制す。
いまのイッセーは、言葉でどう言おうと、自信をつけることはない。
かといって、このまま自信がない状態にし続けるのもよくない。
ならどうするか?
少しの間考えるが、やはりこれしかないか。
・・・・・・・・・・・・あとで部長にどやされるだろうな。
「イッセー。ちょっと顔を貸せ」
「えっ!?」
有無を言わさずに、俺はイッセーの手を引っ張り、とある場所に向かう。
―○●○―
明日夏に連れられてやってきた場所は、別荘から離れたところにある開けた場所。
そこは俺が明日夏に修業をつけてもらっていた場所だった。
明日夏は俺の手を離すと、少し離れ、俺と対峙する。
千秋も俺たちについて来ていて、少し離れた場所ではらはらした様子で俺たちのことを見ていた。
「明日夏。一体何を・・・・・・?」
俺が問いかけると、明日夏は無言で手を横にかざす。
すると、明日夏の指にはめられていた指輪が光り、魔法陣が現れる。
魔法陣が明日夏のことを通過すると、明日夏はジャージ姿から戦闘時に着ているコート姿になっていた。
「イッセー、『赤龍帝の籠手』を出せ」
「えっ!?」
明日夏は戦闘時に使っていた刀を取り出しながらそう言う。
思わず、俺は慌ててしまう!
「ま、待てよ、明日夏!?」
俺が慌てているのは、部長にこの修業期間中の間は『赤龍帝の籠手』を使うなと言われていたからだ。
「部長には俺が事情を説明するし、お叱りも俺だけが受けるようにする。だから、気にせず使え」
明日夏はそう言うけど、俺はなかなか素直に使おうという気になれなかった。
「そもそも、使ってどうしようってんだよ!?」
明日夏の振る舞いから、薄々察してはいたけど、あえて訊いた。
「俺と戦え」
明日夏は間を空けず、即座に言い放った。
「なんでおまえと戦わなきゃならないんだよ!?」
明日夏はただ真剣な眼差しで答えた。
「おまえに自信をつけさせるためだ」
「えっ?」
明日夏は刀を抜き、切っ先を俺に向けながら言う。
「いまのおまえには圧倒的に自分に対する自信がない。だから、少し──いや、かなり強引な荒療治だが、この戦いでおまえに
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