0208話『山城の進水日と提督の気持ち』
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気で怒っているところなんて見たことないでしょう?」
「まぁそうですけど……ところで提督は今日は扶桑姉さまと一緒になにをしているんですか?」
「その件だけど今日は何の日かくらいはわかっているよな?」
「ええ。私の進水日でしたよね?」
「そうだ。だからって言葉も変だけど扶桑と一緒に山城の事を祝おうと思ってな」
「そうだったんですか……ありがとうございます」
そう言って素直に感謝の気持ちを言ってくる辺りは嬉しいんだけどまだ続きがあるんだよな。それは扶桑に任せるとしよう。
「ウフフ……それと、山城? 提督がね、改めて山城の気持ちを知りたいらしいのよ」
「え゛っ……」
つい裏声が出てしまったのか急いで口を抑える山城の姿を見て可愛い奴めと思う。
それで山城は少し顔を赤くさせながらも、
「そ、その……提督? あんまり調子に乗らないでくださいね? 私は扶桑姉さまという想い人がいるんですから……」
「それは前にも聞いたよ。だけどもう一度山城の本音を知りたくてな。こうして扶桑にも場を設けてもらっているんだからできれば本音を喋ってもらいたいところだな」
「それは……確かに私も提督とは最初にケッコンカッコカリしたという自覚はありますから多少は提督の事は好きですよ? ですが、提督は榛名の事が一番好きなのでしょう……?」
「はぁー……やっぱり山城も他のみんなと同じ認識でいたか」
私は思わずため息を漏らす。
扶桑も扶桑で少し笑みを零しながら、「提督、ご愁傷さまです……」と私を気遣ってくれるのは嬉しいけどね。
「な、なにか変な事を言いましたか?」
「ええ、言ったわね山城。あなたは提督の気持ちを理解していないようで私は少し悲しいわ……」
「そんな、扶桑姉さま……!」
慌てだす山城に私は追い打ちをかけることにした。
「それじゃ改めて言わせてもらうけど……私は榛名と山城の二人を同じくらい大好きだからな。それはケッコンカッコカリを争ってもらった時から変わらない気持ちだよ」
「あう……その、恥ずかしいですからそんな素面で堂々と言わないでください……私もどう反応していいか困ります……」
「山城の思うままに行動していいのよ? 今は私達だけしかいないんだから……」
おおらかに扶桑は笑う。
こういう時はやっぱり扶桑は頼りになるよな。
山城は扶桑の物言いでやっぱり色々とテンパっているし。
と、そこに榛名が表に出てきて、
《山城さん、大丈夫ですよ。あなたの本当の気持ちを教えてください。前にも言いましたけど私は山城さんに勝負で負けてしまっていますから……》
「榛名までそちらにつくのね……」
もはやここには味方はいないと悟った山城はどうしていいかという感じだけどしばらくして覚悟が決まった表情になったのか、
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