暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
ペルソナ3
1867話
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火の通した方にはそれぞれ違いがあった。

「へぇ、焼いた豚肉美味いな」

 香ばしさがチーズとの芳醇な香りと共に口の中に広がるというのは、意外に面白い。
 チーズを使った料理だと、ピザとかでこれと同じようなのを楽しめるかもしれないが……ただ、ピザで使われるのは、大抵がベーコンとかソーセージとかだ。
 ……ソーセージとウィンナーの違いって何だったか。
 いや、今は関係ないんだし、そんな事を考える必要はないか。
 そんな風に考えながら、俺はゆかりに焼いた豚肉を勧める。
 ゆかりもタルタロスでの活動のおかげでダイエットとかは必要なく……それどころか、普段よりも多く食べないと痩せる一方なので、俺に勧められた豚肉も特に躊躇なく口に運ぶ。

「こっちの茹でたエビも美味しいわよ」
「ふむ、鶏肉のササミがなかなか……」

 ゆかりと真田の2人も、それぞれ美味そうにチーズフォンデュを食べている。
 ちなみに真田がササミを食べるのは……やっぱり筋肉の問題なんだろう。

「そうか、皆喜んでくれたようで何よりだ」

 全て自分で作った訳ではないとはいえ、やはり自分の手料理を美味そうに食べて貰えるというのは、桐条にとっても嬉しいのだろう。
 ……ファンに知られたら、桐条の手料理を食ったという事で、恨まれかねないが。
 実際、この席を見れば月光館学園の殆どの者が嫉妬をするんじゃないんだろうか。
 桐条、真田、ゆかり、有里。
 月光館学園の中でもファンの多い連中が揃っている食事なのだから。

「有里、君も退院したばかりでまだ栄養が足りないだろう。しっかりと食べてくれ」
「分かりました」

 むぐむぐといった感じで、何かの魚の白身を鍋の中に突き入れる有里。

「うーん、これは実に美味しいね。チーズフォンデュだけに、ちっ、ずーっと食べてやりたいな。……ぷぷぷ」

 テーブルの端では、何やらいつもの病気を発症している奴がいるが、今はそれはスルーした方がいいだろう。

「アルマー、こちらもお勧めだぞ。甘くて、チーズとの相性は抜群だ」

 ミニトマトの突き刺さった串を渡してくる桐条。
 折角なのでそれを断ったりはせず、ミニトマトを鍋に入れる。
 元々、チーズとトマトというのは相性がいい。
 ピザとか、サラダとか、普通にあるしな。
 であれば、ミニトマトとチーズフォンデュの相性が悪い訳がなかった。
 口の中に広がるチーズの濃厚な香りと味。
 そして次にトマトの爽やかな酸味が広がる。
 どうだ? と期待を込めた視線を向けてくる桐条に、俺は口の中のトマトを呑み込んでから小さく頷く。

「ああ、美味い」
「そうか!」

 自分が美味いと思っている物を、他人が食べても美味いと言うのは嬉しいのだろう。
 しかもそ
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