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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0207話『舞風と踊ろう』
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「舞風はそう言うのには敏感なんだから! プンプン!」

腕を組んで頬を膨らませている舞風はまるでリスのようで少し微笑ましくも感じるけどこれ以上の機嫌を損ねるのはまずいと思ったのでもう余計な事は考えないようにしておこうか。

「すまんすまん。いや、別に変な事は考えていないから安心してくれ。ただ、やっぱり那珂は熱血指導をしているんだろうなってな」
「それはそうだよ! ああ見えて那珂ちゃんさんは手抜きはしないのに定評があるんだから!」
「まぁ四水戦のリーダーだからな」
「うん! 那珂ちゃんさんもお船の時代もそれはもう縦横無尽に戦場を踊っていたもんだからねー」
「そうなのか……」

それはそうか。
那珂は軽巡の中ではそれほど活躍したエピソードはないけどあの帝国海軍が完勝したスラバヤ沖海戦でも駆逐隊のみんなとともに活躍してはいるからそれなりに戦果は持っているからな。

「ところで舞風はどうしてそんなに踊りに固執しているんだ……? いや、言い難いなら別に言わなくても構わないんだけどな」
「ううん、大丈夫だよ。舞風はね、戦場でもみんなを勇気づけたいといつも思っているの。だけどどうしたらいいかわからない時に那珂ちゃんさんにこうしたらきっと戦いも楽しくなるよ!って教わったの。だから舞風も踊りを頑張っているんだ。のわっちとかはあんまり乗り気じゃないけどそれでも踊りこそがいつまでも絶望しないって証みたいなものなのかな……? ほら、深海棲艦も舞風が躍っていたらそこに狙いを集中するでしょう? そこを華麗に避ける私ってかっこよくないかな!?」

そう言って目をキラキラと輝かせる舞風はどこか楽しそうで、でもそれだと辛いんじゃないかと私は思った。
だから、

「だけど舞風自身もしっかりと自身を守るように行動してくれないかな? 避ける分には別に構わないけどもし被弾してしまったら自慢の踊りも出来なくなってしまうだろう?」
「うん……そこは少し怖いかな? 踊れなくなったら私の存在意義がかなりなくなっちゃうから……」

こりゃ参ったね……と少し気落ちしている笑いをする舞風は少し痛々しかった。
うーん……落ち込ませるつもりでもなかったんだけど……。
うまく言葉が出てこないな。
こういう時はむしろ開き直ってみるのもいいかもしれないな。

「それじゃ舞風。気分転換に私と一回踊ってみるか? 踊りに関しては私は素人だけど舞風が指導してくれるならなんとかなりそうだしな。本当に踊るわけじゃないけど私も戦場に出る事はあるから参考にでもできるしな」
「うん! いいよ、提督。この舞風に任せておいてよ!」
「ありがとう。それじゃ榛名は見ていてくれないか……?」
《分かりました。それではお二人の踊りを見ていますね》

榛名はニッコリと笑みを浮かべて私達の
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