第5章:幽世と魔導師
第131話「協力体制」
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それにつられるように次々と逃げていった。
蓮の見た目は少女。傍から見ればその様子は薄情な者達にしか見えない。
しかし、その判断が今の状況に最も適していた。
「……さて……」
周囲の安全を確認してから、蓮は目を瞑る。
辺りに漂う瘴気から、どこが発生源か探るためだ。
「……幽世の門が開いたと考えるのが、妥当ですね…。非常に、信じがたい事ですが。……それに、瘴気は複数の箇所から来ている。……最も濃いのは…」
一つの方向に目標を定めた所で、懐に仕舞ってある御札が反応する。
「これは……」
その御札に蓮は見覚えがあり、反応に応えるように霊力を込めた。
『アリシアですか?』
「『良かった、繋がった!蓮さん、今どこにいるの?』」
『京都です。……今、妖らしき存在が街中に出現しているのですが…』
通信符から返ってきた言葉に、アリシアはやはり既に交戦していたのだと察する。
「アリシア、デバイスを介してくれ。そうすれば通信符での念話も皆に聞こえるようにできる」
「そうなの?……よし、これで…」
アリシアは通信符をデバイスに押し付ける。すると……。
『アリシア?どうかしましたか?』
「いや、大丈夫。それよりも、今の状況なんだけど……」
「僕が簡単に説明する」
アリシアに代わり、優輝が簡潔に説明する。
説明したのは幽世の大門が再び開かれた事を中心に一通りである。
『……なるほど…』
「……待って、蓮さん今京都にいるって言ったよね!?」
『……今向かっている場所。それがおそらく大門の場所でしょう』
アリシアの言葉と、その返事の内容にクロノと会話していた椿と葵も反応する。
「待ちなさい!一人で行くのは危険すぎるわ!」
『わかっています。……戦う訳ではありません。様子を見て情報を集めるのもまた重要な事です』
「それは……そうだけど……」
どの道、危険すぎると優輝は思った。
そして、気になる事をクロノに尋ねた。
「クロノ、サーチャーは京都にも飛ばしているよな?」
「あ、ああ。しかし、先程報告に上がったのだが……京都の、おそらく大門がある場所に送ったサーチャーは壊れた」
「壊れた?」
「破壊された訳じゃない。……自壊したんだ。おそらく、大門の力…瘴気と言ったか?それにやられてな。遠くにもう一つあったが、結局瘴気に阻まれている」
それはつまり、サーチャーで様子見は不可能だという事。
『……やはり、私が行くべきです』
「だけど……!」
『初見でいきなり勝てる程、甘い相手でもないでしょう?』
理解はできる。だが、納得はできない。
蓮の言葉
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