第5章:幽世と魔導師
第131話「協力体制」
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、私達の種族を忘れたのかしら?」
「神の分霊に吸血鬼。式姫な事を踏まえても人間より寿命は遥かに長いよ」
性格を更生する前の帝ですら気づいていたって言うのに、こいつは……。
「……横から言うが、何時まで当てにならない“原作知識”に頼り続ける…いや、依存しているつもりだ?」
「っ、なんだと!?」
「……事情を知っている者しかいないから言うけど、もう“リリカルなのは”の知識なんてあまり当てにならないけどね。多分、そっちの知っている椿ちゃん達の事でも、相違点はあるんじゃない?」
信じられないと、織崎は椿と葵を見る。
「……聞いた所、その“かくりよの門”と言う創作物は、今の状況よりも江戸の時の事を舞台としているみたいね」
「以前大門が開かれた時の事だろうね」
「……じゃあ言うけど、その“かくりよの門”の主人公の名前は?」
「っ……」
言葉を詰まらせる織崎。
知っているなら言えるはずだが……もしかして、ゲームの主人公だから名前がないのか?
「確か……“とこよ”だったはずだ」
「っ、苗字は?」
“とこよ”と言う名に、椿は僅かに反応するが、すぐに聞き返す。
多分、前の主と同じ名前だったからだろう。
「え……?」
「苗字はと聞いているのよ」
「それは……」
おそらく、存在していたであろうデフォルト名を言ったようだが、苗字は設定されていなかったらしい。
「……言えないなら、こっちが言うわね。私達の前の主は“有城とこよ”。おそらくあんたの言う“主人公”と同じ立ち位置の存在であり、最終的に最強の陰陽師となり……幽世の大門を閉じると同時に、行方不明になった者よ」
「…………」
「君の言う“かくりよの門”のとこよちゃんがどんな結末を迎えたのかは知らないけど……創作物として知っているだけの知識を、押し付けないでくれる?」
椿と葵の気迫に、織崎は黙っている。
……二人は、緋雪の事を言われた僕のように怒っていたからだ。
「……実の所、私達はなぜとこよが帰ってこなかったのか、わかっているわ。……分かっている上で、納得したくなかった……!」
「“原作知識”だか何だかで知っているのは構わないけど……その出来事を実際に味わったあたし達の事も、少しぐらい考えなよ!」
「それ、は……」
完全に言い負かされている織崎。自業自得だからフォローはしない。
「ここは現実。いくら似ているとはいえ、アニメやゲームの通りにはいかないよ。……いや、第一に私達の存在、ひいては所謂“別作品”の世界観が混ざっている時点で、そんな知識はむしろ邪魔にさえなると分かるでしょ?」
「っ………」
というか、それどころか司が追い打ちを掛け
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