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魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第5章:幽世と魔導師
第131話「協力体制」
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えていた。

「……椿、葵」

「……わかってる。わかってるわ」

「他の守護者や富士の龍神相手なら大丈夫だったけど……」

 いつもの二人らしくない。
 さっきまで堂々としていたのにこの怯えようだ。
 最近はよく一緒にいたアリシア達も、その様子に驚いている。

「……ふー……大丈夫。この程度で戦えなくなったら、式姫の名が廃るわ」

「うん。劣勢なんて逆境、いつも味わってた。……これぐらいの恐怖、なんとでもなるよ」

 だが、そこは経験豊富な式姫二人。
 気持ちを切り替え、体の震えを抑え込んだ。

『……二人がこんなになる程なのか……?』

「直接戦った事はないわ……でも、その時同行していた式姫が、全員満身創痍に追い込まれる程だったわ。決着の後、強制帰還を行ったけど……私達の主だけ、戻ってこなかった」

「……簡潔に言えば、文字通り神に匹敵…もしくはそれ以上の強さだよ。二年前の司ちゃんの力……あれが凝縮されたものだと思ってもいい」

 葵の言葉に、一瞬全員が言葉を失った。
 あの時の司の強さは、それほどまでに凄まじかった。
 それは負の感情に呑まれている時も、天巫女として覚醒した時のどちらもだ。
 それが、凝縮されたもの……どれほどの相手なのか、想像に難くない。

『そんな存在が地球に……』

「そ、そうや……そんなバケモンみたいな強さの存在がいたんやって言うんなら、少しぐらいなんかの話で残ってるはずなんじゃ……」

「……二度と“門”を開かれないようにするためにも、その存在を隠したのよ。残った陰陽師が情報を操作してね……」

「結果、あたし達も正体を隠しながら生きる事になったよ」

 だけど、それでも隠し通せる訳ではないだろう。
 沖縄で会ったシーサーさんが良い例だ。あの人は守り人として語られたのだから。

「……今重要なのは大門の守護者がいたかどうかじゃないわ」

『……そうだな。今は如何に状況を打破するかだ』

 原因はほぼ確実に幽世の大門が開かれた事だ。
 だが、それだとどうロストロギアが関わっていたのか分からない。
 第一に、幽世の大門は魔法では開けない。……いや、そこはロストロギアの特殊効果で何とかなるんだろうが……。
 ……あれ?それってつまり、ロストロギアは特殊効果持ち…?

『規模が日本全土となれば、助けて回るよりもさっさと原因を潰した方がいい。……幸い、元凶の場所も分かっているみたいだし…な』

「同感だ。悠長に助けて回っている方が、時間が掛かって被害も大きくなる。何より、霊力を持っている僕らはむしろ助けに動かない方がいい」

「そうね。江戸の時は相当な人数が霊力を持っていたから助けに動くべきだったけど、今はその判断で合っているわ」
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